鬼滅の魔法騎士第禄章 (ページ22)

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傀儡の術の綻びページ22

ラファーガ「私は、お前には倒せない！」

煉獄「やってみなければ判るまい、俺達は、何としてもザガートの手から、エメロード姫を助け出す！

だが、この言葉を煉獄が発した瞬間、

ラファーガ「エメロード…姫？…！？」

何と、剣先を降ろすや、愕いたように眼を見開き、数歩後退りし、呻くように何やら呟きながら、頭を左手で押さえたのだ。

不死川「っ！チャンスだ。煉獄、今のうちに叩け！」

煉獄「待て！此は…そうか、彼は…魂迄は完全に支配されてはいないのだ」

炭治郎「っ！もしかしたら、エメロード姫の名前を聞いて、洗脳の力が緩んでるのかも知れません！」

そうか。ならば、今なら正気に戻せるかも知れない！

煉獄「ラファーガ！聞こえるか！お前は、恐らくザガートに操られている！今なら…抜け出せっ！エメロード姫は、お前の護るべき方だろう！」

だが、

カアッ！

ラファーガの顔に刻まれた、青い呪縛の印が、光を放ち始める。

精神の支配が緩んだと見るや、印が更なる力を放ったのだ。

ラファーガ「グアアアーッ！！」

眼が黒く濁り、咆哮を上げて煉獄に斬り掛かる。

ギンッ！ガキィッ！！ガキィッ！

煉獄は怯まず、全身全霊でラファーガの剣を弾き返す。

煉獄(やはり、ラファーガも戦っているのだ！)

煉獄「ラファーガ！負けてはならん、お前の力は、何の為に、いや、誰の為に在る！思い出せ！！」

煉獄の声と共に、ラファーガの脳裏に記憶が過る。

ー回想ー

エメロード姫「ラファーガ！ラファーガ…！」

ザガートの腕に抱えられ、連れて行かれる姫を、

傷付き、膝を着いたまま見詰めるしか出来なかった自分…

どれ程自分の無力さを呪った事か。

我が身を盾にしても、護らなければならない…

セフィーロの柱たる、大切な主君、エメロード姫を自分は…助けられなかった！

其れなのに…今自分は何をやっている！

この、自分に呼び掛けてくる強い声…

まるで、炎の化身の如き、暖かい魂を宿した声を放つ、この男は…誰だ！

煉獄はラファーガの隙を突き、

煉獄「ハッ！」

ガキッ！

ラファーガの剣を弾き落とし、

カシリ、

ラファーガの左頸に、エスクードの刃を当てる。

もう止めろ！そう意思を込めて。

ラファーガの脳裏に、再びエメロード姫が連れ去られた光景が浮かぶ。

ー回想ー

悲鳴を上げる躰を起こし、剣を構えザガート目掛けて跳躍する。

ラファーガ「姫を放せっ！」

だが、ザガートが放った魔法に、弾き飛ばされる。