幕間・食わず嫌いは何方も同じ ページ3
まるで、南蛮漬けか甘口の照り焼きでも作っているような匂いだ。
不死川「フェリオ?おい、何か作ってるのか?」
フェリオ「そうだよ。よし、今仕上がったから持ってくよ」
何を持ってきたのかと、ワクワクしながら待った3人だったが…
不死川「フェリオ、戻って…ん?ぎ、ぎゃああっ!?」
フェリオは皿を手にしたまま、不死川の絶叫に固まる。
煉獄「フェリオ…そ、そ、其れは…何だ一体!?」
フェリオ「何って、見れば判るだろ?ジャイアントハニービーの蜂蜜タレ付け丸焼き…だよ。見た目はまあ、慣れなきゃアレだが、旨いぜ?騙されたと思って喰ってみなよ」
そう…フェリオの手にした皿の上には、
見るに耐え難い…もとい、
香ばしく焼き上がり、ふわふわと甘い香りと湯気を立てる巨大蜜蜂…が鎮座していた。
不死川が何の気なしに其方を向いた瞬間、
その丸焼き…の目ん玉と不死川の眼が、真面にエンカウントしてしまったのだ。
炭治郎「わあ…家でも足長蜂やクワガタ虫の幼虫なんかを焙烙で、から煎りした奴を良く食べさせて貰いましたよ。美味しそうだな!」
不死川「え”っ?!」
煉獄「竈門少年!君には、あ、アレが…「旨そう」に見えると言うのか?!冗談は止め給え!」
だが、煉獄は慌てて口に手を当てた。
フェリオ「大丈夫だ。知らない奴なら当たり前にする反応だよ」
テーブルに皿を置くと、軽く笑いながら皿を示し、
フェリオ「無理なら俺が喰うしさ、足の先だけでも食べてみなよ。勿論此奴等は頭から足先迄丸ごと喰える。頭に入ってる味噌はもう、堪らないんだ。軽くトーストしたバゲットに、バターと一緒に塗って食べたら…」
不死川「わ、判った判った。喰うよ!喰うから黙っててくれ、気が散るっ!」
本気かと目を剥く煉獄を尻目に…
ジャイアントハニービーの丸焼き…の、後ろ脚の太い部分を折る。
ピシピシ…パキッ。
軽い音を立てて、後ろ脚が半ば程の辺りで割り取れた。
覚悟を固め…儘よと口に入れた。
カシュクシュ…パリパリ…
何やら子気味の良い咀嚼音をさせながら、
ハニービーの脚を食べている不死川。
煉獄「ど、如何なのだ!無理ならば…」
が、杞憂だった。何故ならば…
不死川「何だ此は…旨いぜ!香りと歯触りが…丸っきり車海老の鬼殻焼きだ!肉も目一杯詰まってる!喰えない処か、こりゃ大当たりな奴だ!お前等も喰えよ!肉は、伊勢海老みたいだ。味も歯応えもな!」
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みこち(プロフ) - 光柱の沙さん» 有難う御座います。本編間もなく再開します! (2022年11月4日 5時) (レス) @page4 id: e0b3c2b120 (このIDを非表示/違反報告)
光柱の沙(プロフ) - 続編おめでとうございます! (2022年11月3日 22時) (レス) id: 35c79308e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みこち | 作成日時:2022年10月31日 4時