鬼滅の魔法騎士

フェリオの思いの形 ページ29

中には、家鴨の卵を一回り程大きく為たような卵形の…薄緋色の宝石を埋め込んだ球が2つ収められていた

フェリオは何故かその輝きに目を奪われてしまい、窃盗犯と間違われるという頭が浮かばず、無意識にその一つを掴むと、自分でも判らなかったが、眼前に近づけて繁々と見詰めていた

煉獄「何と馬鹿な真似を！王宮の私物を勝手に開けた挙げ句に、中の宝物を直に手に取っただと？其れでは其れを城の誰かに見咎められたら先ず間違いなく盗人扱いだぞ！只見たかっただけだ等と通る物か！下手をすればその場で斬首だ！」

そう…勿論其れを巡回中の衛兵に見付かったフェリオは、違うと弁解したのだが、其の儘牢屋に引っ立てられ掛けた

しかし、エメロードが連れて来るようにと言い、

審議しますかと問う衛兵に、

エメロード「其れは私がこの方に差し上げた物。盗まれた物ではありません」

こう言って、フェリオを許し、事を荒立てず、一座に迷惑が及ばぬように迄為てくれたと言うのだ

不死川「其れが本当なら、大した気骨の姫様だな。フェリオに悪意が無いって気付いたから助けてくれたのかもな」

煉獄は軽く頷くと、

煉獄「其れが事実か虚実かはこの際聞かない。手を貸してくれるなら頼む！竈門少年、済まんが俺と魔物共を引きつける役を頼みたい。不死川はフェリオとあの鉱石を壊してくれ！」

頷いた炭治郎と共に、手甲の宝玉から剣を召喚した煉獄は、鉱石が在る箇所から離れた位置に向かって駆け出す。

不死川「ちょっ…待て！勝手に決めんな！」

煉獄「頼んだぞ！」

炭治郎「済みません。お願いします！」

走って行く2人。

不死川は呆れるやら感心するやら、苦笑いするしか無かった。

不死川「判ったよ馬鹿共が！向こうに帰れたらおはぎ百人前奢らせてやるか！覚悟しておけよ」

フェリオもさあ行くか！と利き腕側の肩を回している。

不死川(此奴を見てると…)

ダダダダ…！！

併走しながら炭治郎が煉獄に聞く。

炭治郎「さっきのあの話、どう思います？あの人感情の隠し方が巧いのか、匂いでも判らなくて」

煉獄「判らんが…俺には彼が嘘を付くのは、誰かを嵌める為では無く、自分に必要以上に踏み込まれたく無くて虚勢を張っているからだという感じがしてならんのだ、まるで、鬼狩りに異状な迄に躍起になる時の不死川と同じだ。理解はされたいが…妥協出来ない。自分がやるのだ！という雰囲気をフェリオは我々と出逢ってからずっと放っていた、当人に自覚が在るかは判らんがな」

フェリオと不死川→←フェリオの提案

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す