鬼滅の魔法騎士

フェリオの提案 ページ28

煉獄「何を言うのだ！君はこの件とは無関係だろう。それに、この位熟せなくては、この世界を…セフィーロをザガードの魔の手から救う等夢の又夢だ！」

フェリオ「さっきあんた…クレフとかって言っていたな。其れはまさか…魔道士クレフの事か？」

不死川「お前…何でクレフを知ってる！」

煉獄「待て。そうだ。クレフは我々をザガードの手の者から逃がす為に追っ手を引き受ける役を買って出てくれた。だが、離れて以来彼とは会っていないし無事なのかすらも判らぬ有様でな…全く不甲斐無しだ」

フェリオはこの煉獄の言葉に、我が意を得たりという顔を為ると、

フェリオ「なる程な…あんた達エメロード姫をザガード達の手から救い出して、セフィーロを救おうとしてるんだろ。違うか？」

不死川はフェリオを睨む。

不死川「やっぱりお前怪しいな。何で知り合いでも無い俺達にそんなに手を貸したがる？決定打が無いから黙ってる積もりで居たが…お前まさか、ザガードの配下か何かじゃないのか？だったら素性をはぐらかしたまんま俺達の傍を彷徨くのも事情を…エメロード姫やザガードの事を知ってるのも合点が行く」

煉獄「不死川止せ！言い過ぎだぞ。ならば何故此方から言う前にクレフが魔道士だと言う事と我々がエメロード姫の救出を成そうとしている事を言い当てられたのだ！」

不死川「そんなの奴等の仲間内だと推察すりゃ簡単だろ？事件を起こした当事者の手先なら、事情自体知ってたって何の不思議も無いからな」

煉獄「つまりお前は…彼が我々を始めから罠に掛けるために近づいて来たかも知れない…そう言いたいのか！」

フェリオ「信じられない…か。まあ当たり前だよなあんた達から見れば。何故協力為たがるって言ったな。俺も同じだからさ。エメロード姫を助け出したい。俺は元々は旅芸人だったんだ。親は知らない。気が付いたら親方に拾われて、芸を仕込まれてた。身を立てる術を教わって興行しながら旅をして…有る時に城で芸事を披露するようにと使いの人が一座に来て、お城に招かれたんだ。城の中を勝手に歩き回ったのは、盗みを働こうと為たんじゃ無い。珍しくて、親方達の目を盗んで彼方此方見て回ってたんだ」

そして、フェリオは城の扉が開いていた一室の壁から張り出した飾り棚に置かれていた、薄緋色の宝石箱を、興味本位で手に取ると、あろう事か開けてしまったのだ。

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