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見上げれば、龍骨精は即決勝負だとばかりに、

先程よりも遙かに練り上げれた妖力を体から放ち始めた。

この状態からあの雷球を放てば…相手は消し炭処か即消滅だろう。

だが、此こそ待ち望んだ戦いだと、犬夜叉は鉄砕牙を構えて身構えた。

そして、龍骨精の口から眩く輝く雷球が放たれた。

犬夜叉は雄叫びを上げて跳躍し、雷球の妖力の氾流の渦に飛び込み、

気合いを込めて風の傷を撃ち放った。

犬夜叉「喰らえっ!風の傷!!」

グアォォォォ…!!!

2つの妖力の渦は凄まじい力で鬩ぎ合いながら爆発する。

しかし、犬夜叉が風の傷を使うつもりで放った技…其れは明らかに風の傷とは違う形の力となって現れたのだ。

まず、幾重にも風の刃を纏った竜巻へと姿を換え、

龍骨精の雷球の力を巻き取りながら、唸りを上げて龍骨精の躰を易々と切り刻み、粉砕して行く。

まるで乾いた紙粘土細工を砕き割るように…

悲鳴すら上げる間も無く、瞬く間に龍骨精は粉々に爆砕して消滅してしまったのだ。

此には、上空から様子を見守っていたかごめや弥勒達も、

技を放った当の本人の犬夜叉さえも、呆気に取られて固まっていた。

煉獄「一体…何が起きたと言うのだ!?風の傷を放ったのだろう?先程の奴は効かなかったのに、何なのだその時に放たれた力は!」

犬夜叉は、降りてきた刀々斎に嬉しそうに聞いた。

今まであんな強い風の傷は使えなかったのだ。打ち直した時に何か仕掛けでもしてくれたのか!と。

だが、刀々斎の口から返された言葉は、驚くべき物だった。

先程の龍骨精を葬った力は、「爆流波」という相手の技や妖力を風の傷で巻き込み、カウンターのように其の儘跳ね返すように相手目掛けて叩き付ける大技…鉄砕牙で扱える最大奥義だと言うのだ。

その力は正に覇道その物。

弱い妖怪や人にはてんで発現しないが、

龍骨精のような強い妖怪に放てば、喰らった相手は先程のような末路を確実に辿る。其程飛び抜けた破壊力を備えた力なのだ。

不死川「待てよ!最大奥義だと!?習ってもいないのに何でそんな馬鹿みたいな大技がいきなり使えたんだ!おかしいだろ!」

かごめ「あの…犬夜叉はその時に、殆ど勘って言うか、強い妖気の流れの渦を感じて、其処目掛けて何となく自然に撃ち込んだって言ってましたが」

不死川「は…?!生きるか死ぬかの瞬間に、単なる勘に従って技を撃っただと?!」

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作者名:みこち | 作成日時:2022年5月6日 4時

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