鬼滅の妖怪奇談第三弾 (ページ34)

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辿り着くと、確かに龍骨精は其処に突き立てられた闘牙王の爪により封印されて眠っていた。が、

其処には、予想外の相手が居た。

龍骨精の躰に座り、やって来た犬夜叉達を見ているのだ。

まるで此処に彼等が来ると判っていたかのように。

其奴は。邪悪な妖気を纏っていた。全身にヒヒの毛皮を被った姿で。

煉獄「っ！奈落か！大方龍骨精の封印を解く為に現れたのだな？犬夜叉を葬る為に。全く姑息な奴だ！他者を利用するしか頭に無いのか！！」

不死川「琥珀は…？その時には連れてなかったのか？！」

かごめ「いいえ、奈落一人だけでした」

不死川「そうか、ちっ！いつも連れ回してるって訳じゃ無いのか」

奈落は言葉を発さず、徐に左手を持ち上げると、ぴたりと巨大な突き立てられた爪に当てた。

と、見る間に…

ボコボコ…ジュウゥゥゥ…！！！

奈落の注いだ瘴気の毒で、みるみる封印の爪が泡立ちながら溶け崩れ始めた。

封印が外れた為か、龍骨精は微かに身動ぎするや、額に着いた人型の顔の眼がうっすらと開いていく。

煉獄「おのれ…やはり封印を解く為に来たのか！」

伊黒「亜種とは言え龍ならば頑強な躰だろうが、其奴の能力は？」

ジバニャン「兎に角鋼が紙屑に思えるくらい硬い躰してるニャ。口からは雷球を放って攻撃してくるんだニャ。おまけに生命力が馬鹿みたいに凄まじくて、急所の心臓の直ぐ近くを深く貫いても、致命傷にならなくて猛攻撃してくるくらいだって聞いたニャ」

フユニャン「気性はまさに暴挙の化身の一言に尽きる。兎に角好戦的な奴で、一度暴れ出せば武蔵の国と言えども、一瞬で一面の焼け野原に変わると言われているそうだ」

煉獄「ば、馬鹿を言え！一人でそんな力を誇る奴等倒すのは至難の業だぞ！」

善逸「それ以前に無理としか言わないって普通！」

完全に封印が解けた龍骨精は、視界に犬夜叉を捉えるや、口から雷球を放った。

真正面からだったので、何とか回避はしたが…

戦いが始まるや、奈落は、龍骨精よ、存分に暴れろと嘯き、悠然と姿を消してしまった。

不死川「最初から犬夜叉達を始末させる為にやったのか？自分に矛先が向く前にとんずらとはな…強い癖に逃げ足だけ早い。始末に負えねぇな」

しかし、やはり闘牙王を追い込んだというのは伊達では無いらしく、犬夜叉は軽々とあしらわれ、

斬り掛かれば弾き飛ばされ、

相手が攻撃すれば、回避するだけで引っくり返される有様なのだ。