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甘露寺「きゃあっ!な、何これ?蚯蚓のお化け?!大人の躰くらい太いわ!」

壁と言わず床や天井と言わず、彼方此方から肉の触手が湧き出るように這い出てきたのだ。

速度は余り無い。楽に目で追える位だ。が…其れが却って不気味だ。

蛇のように頭を擡げて、全ての先端が炭治郎に狙いを定めて向かって来る。

善逸「アワワワ…炭治郎!早く反撃しろっ!」

炭治郎は型の構えを素早く取る。

炭治郎「水の呼吸・壱の型、水面斬り!」

バシュッ!

眼前の触手を全て斬り飛ばす。が、

炭治郎「くそ…やはり直ぐに再生するのか…!本体の頸を斬らなければ、同じ事の繰り返しだ。急がないと!」

その言葉通り、斬った触手は斬れた先は崩れて消える物の、根元は斬った端から再生していく。

しかも…

不死川「っ!チッ、おい彼処の触手!乗客達に巻き付こうとしてるぞ!早く斬り飛ばせっ!」

見れば、不死川が示した画面の乗客2人に触手が近づき、とぐろを巻きながら取り込もうとしている。

直ぐさま、気付いた炭治郎が斬り放す。

何とかしなければ…!

ー煉獄の居る車両ー

煉獄「ふうむ…」

余裕綽々でゆっくりと歩いている。

善逸「あのな!何が「ふうむ」だよ!お茶してる貴族じゃ無いんだぞ。余裕ぶっこいてる場合か!」

気持ちは判らなく無い。

辺りには、例の化け蚯蚓擬き…触手がうねうねと動いている。歩く煉獄の肩先や足元に、するすると伸びてくるのだ。

不死川「まあ煉獄なら、此奴ら相手程度なら、この余裕でも釣りが来る位だ。何せ柱の中でも3本の指に入る実力者だからな」

煉獄「まさかうたた寝している間に、こんな事態になって居ようとはな、よもやよもやだ」

ゆったりとした仕草で羽織を翻すや、

左手を立てて前に突きだし、右手に握る日輪刀を振り上げる。

鮮やかな余裕の笑みを浮かべて…!

炎のオーラが煉獄から湧き上がり、炎熱の熱波と揺らめきが…眩いばかりに彼の躰を取り巻きながら放たれる。

まさに業炎の塊だ。

宇髄「ん?炎の呼吸の型の構えじゃ無ぇ…まさか此奴、乱撃を放つ気か?」

かごめ「えっ?辺り構わずに剣撃を繰り出そうとしてるんですか?でも、追い込まれても居ないのに、何故そんな事を?」

ジバニャン「炭治郎に、此から伝言を伝えに行く為にだニャ。今の状況とそれぞれがやる役割と、鬼の頸を探し出せって言いに行くのに、通り道の邪魔になるのと、ある程度動きにくくするのに、厭夢の躰を斬りまくる気だニャ!

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作者名:みこち | 作成日時:2022年5月6日 4時

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