かごめの話 ページ9
食べ始めるかごめと千寿郎。
かごめ「本当!最高だわ!犬夜叉には悪いけど…これは残すのは勿体ないわ。とまらない…!』
千寿郎「本当ですね!あの、かごめさん、これ、火を通しても味とかには変わりは無いんでしょうか?前に、兄上に帝都の喫茶室に連れて行って頂いた際に、食べさせて頂いた焼き林檎が忘れられなくて…これで作らせて頂けたら!出来たら父上にも是非とも召し上がって頂きたいです!母上が生前に、良く父上に振る舞っていたらしいので。父上は母上の作る焼き林檎が大の好物だったそうで…』
かごめ「そうなの?勿論良いわよ。確か刀々斎さんは加熱しても美味いからなって言ってたわ。お父さんきっと喜んで食べてくれるわ』
煉獄「刀々斎…?ああ、君が先程話していた、旅仲間の知り合いとかいう刀鍛冶の名前か?』
かごめ「ええ。妖怪なんですけど、凄く頭の切れる御老人で、力も相当在るんです。何度か助けて貰ったり知恵を借りたり…但…凄く毒舌で天然っぽい人ですけど…』
煉獄「ほう、何やら人物像が余り掴めないが、一度逢ってみたいものだ』
煉獄はその後、金成林檎の残り一つを千寿郎に手渡し、一つを何故か羽織の下にしまい込むと、千寿郎に片付けが済んだら寝なさいと告げて、部屋を下がらせた。
千寿郎の足音が遠離るのを確認した煉獄は、不意に真剣な顔付きをすると、かごめの方を向いて座り直し、聞いてきた。
かごめの此処に現れたいきさつと何故旅を始めたのか、妖怪や鬼等も他にも存在しているのか、砕けたという魂魄の玉とは何なのか、琥珀とは誰なのか、旅仲間の事を出来るだけ詳しく話せ、と。
先程迄の優しげな顔では無く、柱としての責務に向き合う炎柱の顔付きだった。静かながら有無を言わせぬ気概が放たれている。
問われたかごめは、隠し立ては得策ではないと判断し、まず自分はこの時代の人間ではなく、平成の時代を生きる中学生であり、15歳であること、仲間には半妖の犬夜叉という少年、弥勒という法師、悪しき妖怪をの討伐や除去、使役などを生業としていた妖怪の退治屋の里の生き残りである珊瑚という娘と、子狐の化け狐の子供が居ること、雲母は珊瑚の忠実な相棒である事を話した。
煉獄「平成だと…?今は大正の世だぞ?君はまさか、この時代の人間では無いと言うのか?』
かごめは煉獄の言葉に、驚いた顔で聞き返す。
かごめ「大正時代…?嘘でしょ!?あたしが犬夜叉達と出会ったのは戦国時代ですよ?』
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作者名:みこち | 作成日時:2022年4月4日 21時