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隊士は顔を輝かせ、かき揚げを箸で持ち上げ、早速とばかりに齧り付く。

カシュッ!子気味の良い揚げ物を囓る音が響く。

隊士「美味い…、親父さん、此だったら浅草辺りに店出しても行列間違い無しだよ」

煉獄「うむ…全くだな、最高の味だ!揚げ具合、具材の火の通り具合、何よりこの歯触り…堪らない!」

宇髄「おい…今昼飯時だろ。こんな食レポ聞かせんなっての!」

ジバニャン「浅草辺りにって、如何いう意味ニャ?」

煉獄「ああ、知らないのか?浅草は、帝都(今の東京)では一番の繁華街なのだ。外国文化の集中地区だと言っても過言じゃ無い。服飾、建造技術、食事文化に至るまで…まさにきらびやかの一言に尽きる町だ」

ウィスパー「モガ…モダンガール何て言葉が流行りだしたのも、この頃の浅草ですしね」

かごめ「現代で言う新宿や銀座とか、秋葉原みたいな所だったって事ね」

ケータ「そうなんだ…」

フユニャン「この頃の時代の浅草はそうだろうな。ケイゾウの子供の頃の景色に雰囲気が似ている。現代の浅草は、昔懐かしい洋食文化の町…というイメージが大半らしいが」

煉獄「親父さん、景気は如何かな」

店主「どう見えるね。実はね…この沿線で切り裂き魔ってのが出てるせいでね、めっきり客足が減っちまったよ、雇い人にも暇を出す始末さ、ついこないだにも、若い車掌がやられたんだってよ。何でも…腹を掻っ捌かれた挙げ句に、臓腑を無残に潰されてたそうだよ。酷い真似する奴が居るもんだ」

ジバニャン「判ったニャ、此は初めから此が判ってて聞いてるんだニャ。多分後輩の人達が手に入れた情報の裏を取ってるニャンね」

伊黒「フン。此を見れば誰でも気付く。口に出すこと自体が馬鹿なんだ」

ジバニャン「あんた本当に蛇みたいにねちっこい喋り方するニャンね…腹立つニャ!」

店主「其れに、無限列車ってのが、運行中止になっちまっただろ。何でも…乗客が40人ばかり神隠しに遭っちまったって言うぜ」

やりきれないという口調で零す店主。

煉獄「ほう、物騒だな」

隊士「炎柱、本題ですが、その無限列車、所在が判りました。さる機関庫に、人目に付かぬよう搬入為れたとの情報が」

煉獄「うむ、了解した!」

2人は代金を店主に手渡すと、颯爽と沿線沿いに歩き出した。

ケータ「やっぱり格好いい煉獄さん。羽織が歩く度に揺らめいてる」

隊士「直ぐに無限列車に向かいますか?」

煉獄「いや、その前に、車掌の遺体が発見された駅を検分為てみよう」

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作者名:みこち | 作成日時:2022年4月4日 21時

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