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聞き終わると、
闇キュウビ「なる程ね。要するに此処の建物を見上げる程の高さで、建物ごと覆い尽くす範囲を生き物以外可視化出来なくすれば良いんだね。任せな」
闇キュウビは、両の手の平それぞれに、青白い狐火を生み出し、頭上に掲げて叫んだ。
闇キュウビ「妖術・終わりの始まり！」
ズアァァァ…！！
煉獄「なっ…？！何だこれは！まるで大気が光を飲み込んでいくような…景色が消えていく！」
悲鳴島「何と…まるで冥府の底のようだ。南無…！」
胡蝶「これ、ちゃんと解けるんですか？流石に数日は此の儘等と仰られては些か…」
闇キュウビ「ああ大丈夫。10分きっかりに術が解けるようにしてあるから。此は、術の影響範囲内の一切の光を遮断して…意思を持つ動く生き物、無論妖怪もだけど…其れ以外を完全に見えなくする術なんだ。隠れるのが巧い相手には有効な術さ。じゃあ僕はこれで、ケータ、又何かあれば喚んでくれ」
ポフンッ。煙と共に消えた。
善逸「えっ？今のって、まさか帰ったの？えらく簡単なんだな」
煉獄「では…要、20メートル程上に待機してくれ。俺達以外に屋敷と周りの景色が見えないなら直ぐに合図しろ！かごめに伝えるから。行け！」
要を空へと放つ。
要は指示された高さまで上昇すると、数回ほど旋回し、
要「ダイジョウブ！レンゴクサマタチイガイハミエナイ！」
煉獄「よし、ならば大丈夫だな！かごめ、伊黒を雲母に乗せてやれ！」
かごめ「はい。伊黒さん…でしたっけ。あたしの後ろに乗ってください」
伊黒「雲母の腰辺りに乗れの間違いだろう。甘露寺に聞かれて誤解されるような言い回しをするな、紛らわしい」
煉獄「貴様こそ一体何の寝言をほざいてる馬鹿蛇が！その子にはちゃんと思い人が居るんだぞ！」
善逸「え”っ！？そーなの？」
かごめ「ま、まあね。犬夜叉って奴なの」
かごめは先に雲母に跨がり、伊黒が座ったのを確かめてから、雲母に告げた。
かごめ「雲母、お願い。この空間からは出ちゃ駄目よ。余りスピードは出さないでね。行って！」
軽く雲母の頸を叩く。
雲母は一声吠えると、地面を蹴り上げ、空へと見る間に駆け上がる。
そのまま、まるで普通に大地を掛けるように縦横無尽に空を軽やかに駆け巡った。
やがて3分程で雲母は降りてきた。
地面に着地すると、伊黒は珍しく感心したような口調で、
伊黒「思ったよりも遙かに乗り心地が良いんだな。速度もあるし、此なら鬼相手にも役立つだろう」
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作者名：みこち | 作成日時：2022年4月4日 21時
