そっくり親子 ページ5
煉獄は、ああ違うと軽く手を振り、
煉獄「これはな、鬼が近寄らないように植えているんだ。奴等は藤の花が大の苦手でな、成り立ての…或いは弱い段階の奴なら触れただけでお陀仏だ!』
かごめ「えっ?成り立てって…?貴方達の倒してる鬼って、もしかして元は違う生き物なの?』
煉獄「その通りだ。奴等は皆元は普通の人間だ。ある鬼の始祖に血を植え付けられて生み出される。そうなればその人間は、元の自我や優しさを失い、邪悪に成り果てその鬼の始祖に意のままに従う僕へと成り果ててしまう…だから、我々が斬るしかないんだ』
かごめ「あの…斬るしかないんだって…具体的に、貴方達の斬る鬼って、どんな悪さをするの?余程悪い真似するとか?襲い掛かられて大怪我負わされるとか?』
煉獄は、いいやと頸を軽く横に振ると、
煉獄「とんでもない。奴等は人間を生きたまま喰う。つまりは餌にするんだ。全ての奴がだ。だから奴等は、見つけ次第殲滅する。それ以外には救う道は無いからな』
かごめ(あたし達も元は人間だった妖怪化した人間や人を喰う鬼は何度か戦ったけど…改めて言われると、やっぱり怖い)
其処に、
?「あ、兄上。お帰りなさい!』
声のした方にかごめが顔を向ければ、其処には白い着物の上着に黒い袴を着た可愛らしい少年が居た。
煉獄「おう、千寿郎!ただいま!ああ、此方の娘はな、鬼絡みかも知れぬ故連れて来た。明日御館様に会って頂く。今夜は此処に泊めるから頼むぞ!』
千寿郎と呼ばれた、かごめを不思議そうに見てきた少年に、煉獄が説明する。
千寿郎「そうでしたか、初めまして。僕は、この方の弟の千寿郎と言います』
言われずとも、かごめには丸分かりだった。何しろ髪の毛から顔付きまで年格好を除けば瓜二つだからだ。歳違いのクローンだと言われても違和感を感じないだろうと言うくらいに。
かごめ「こんにちは。あたしは日暮かごめって言うのよ。突然お邪魔して御免なさいね。貴方お歳は?』
千寿郎「えっ?歳ですか?今年の春に11になりましたが』
かごめはこれを聞いて、ハッという顔になる。
かごめ「…っ!琥珀君と同じ年…?!』
煉獄「琥珀君…?かごめ、如何した。その琥珀とやらは君の知り合いか?』
かごめは気まずそうに視線を泳がせた。少なくとも、逢ったばかりの相手に出来る話ではない。
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作者名:みこち | 作成日時:2022年4月4日 21時