炭治郎の覚悟 ページ24
かごめは驚いた。確かに其れならば、連れ歩くなら昼間は躰に日が当たらないようにしなくてはなるまい。しかし…
昨晩に煉獄から聞いた話の通りなら、鬼の始祖とやらに鬼に換えられた人間は全て、自我を奪われて其奴の配下になり、人を喰い殺す化け鬼になる筈だ。何故連れ歩ける?
抑も何故、斬られないのだろう?
鬼殺隊に入っているなら、そんな事を知られれば只では済まない筈だ。
其処まで考えた時、かごめはハッとなる。
かごめ「煉獄さん。もしかして、さっき言っていた裁判って言うのは…まさか、炭治郎君の妹さんの事ですか?その事が貴方達に知れたから、どういう事だって貴方達に…?』
怖ず怖ずと尋ねる。
煉獄「…まあな。俺達の隊には、万が一鬼が身内や兄弟弟子に出たり、其れを知リながら庇い立てしたり隠し立てしている隊士が居ると発覚した場合…理由いかんに問わず、その隊士は、鬼共々即時斬首だと隊規で定められている。鬼は基本的に人間に実害しか齎さないと言う実例しか過去には無いのだ。だから、竃門少年の場合も然りで…只…彼の妹の場合は何故か、殺さずに柱合裁判に竃門少年共々引き出せと御館様から厳命を受けて…俺達柱はそれに参列した』
炭治郎「ええ。其れがバレてその裁判に引き出されて、煉獄さん達柱の人達に斬首だ、裁判何て無意味だって責め立てられて…実は、信じられないかも知れませんが、俺の妹は、人間を一度も襲いも喰いもしていなかったんです…襲われて鬼にされてからずっと。其れを何度も必死に訴えたんですが…まるで信じて貰えず…妄言だとか、身内なら庇うのは当たり前だから信用出来ないの一点張りで…御館様が認めて下さったから何とか収まりましたが』
かごめ「そうだったの。えっ?貴方の妹さんって、まさか心は人間の時のままなの…?だから認めて貰えたって事?』
煉獄「そうだ。勿論始めは俺達もそんな馬鹿なと反対もしたが、実際彼女はその場で柱の1人がやった血を嗅がせる事にすら耐えたし、人間を護りながら彼等と共に戦っている。だから今は俺も信じているんだ』
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作者名:みこち | 作成日時:2022年4月4日 21時