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かごめの話(4) ページ12

頷くかごめに、ふと煉獄は尋ねた。

煉獄「…かごめ、城主のその時の様子から察するに…既に正気では無かったか、化け物でも躰に入れられていたかだと思うが…もしや、先程言った奈落とやらは、その時…その場に居たのでは無いのか?何食わぬ顔で。恐らくだが、家臣の誰かにでも躰を変じて…』

かごめ「そうです。但し、家臣じゃ無くて、その城主の息子…つまり若様に化けていたんです。多分その日のうちに、若様を殺めてすり替わってから、城主を殺して人形に…』

煉獄「虫唾が知る…許せんな!』

かごめ「その後二人は、城の家来達に矢を何本も浴びせられて、珊瑚ちゃんは怯えた琥珀君を抱き締めて必死に庇ったんですが…琥珀君はそのまま亡くなったんです。その後、城主が化け物に変わったのを、用済みだと殺めた奈落が、妖怪に乗っ取られた父に騙されて哀れだと、辛うじて息のあった珊瑚ちゃんを家来達に手当てさせて、琥珀君は埋葬されました。そして、その翌日に…』

聞きながら煉獄は、拳を血が滲む程握り締めていた。

自分にも弟が居るのだ。そんな外道に、もしも可愛い弟が…千寿郎が自分の眼前で、琥珀と同じ目に等逢わされたら…!自分なら、まず間違いなく正気では居られまい。

例えば、もし仮に、御館様の屋敷に千寿郎が自分と来なさいと呼ばれて、その場に柱の皆が居て、千寿郎がいきなり操られて我を無くして人形のような状態にされて、凶器を振り回し、柱の皆や御館様を傷付け、あまつさえ殺め掛けた等となったりしたら…?

煉獄は、その時の珊瑚の弟を死に物狂いで抱き締め、守り抜こうと為た事、弟が葬られたと聞かされた時の心中は如何ばかりかと心から同情した。

かごめ「手当てされて、翌日の朝に目覚めた珊瑚ちゃんは、ショックで城の人達の慰めの言葉も耳に入らなかったんですが、若様に化けた奈落が…珊瑚ちゃんにとんでもない事を言ってきたんです。

奈落「珊瑚、言いにくいのだがな、実は先程其方の里に事の次第を伝令に向かわせたのだが、其方達の里がな…其方達が昨日の夜に此処に来ている間に、滅ぼされたらしいのだ。確かめさせたから間違いない。やった犯人は、犬夜叉とかいう半妖だ。其方達の里に保管されていた四魂の玉の欠片を目当てに襲ったらしい。気の毒にな』

って…』

煉獄「な、何だと…?待ち給え!まさか、その段階では、珊瑚は君の旅仲間には加わって居なかったのか?その流れならば、珊瑚は犬夜叉に復讐を企てるだろう?騙されて』

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作者名:みこち | 作成日時:2022年4月4日 21時

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