かごめの話(3) ページ11
煉獄「勇ましい事だ。我々鬼殺隊のようだな!我々も稀にだが、鬼を倒してくれと依頼を受けたりもする。何時もは隠れや鎹鴉からの知らせで駆け付けて倒すのだが』
かごめ「そうなんですか。それで、珊瑚ちゃんは、里長のお父さんや里の手練れの数人の仲間達と、琥珀君と一緒に出向いたんです。因みに琥珀君は、其れが初陣だったそうです。そろそろ実戦に出なさいってお父さんに言われたそうで』
煉獄「父上に…?初陣とは…。その珊瑚という姉上も気が気では無かっただろう。俺がその立場なら、千寿郎に多分着きっきりになるだろうな。腕試しにならんから甘やかすなと父上には怒鳴られそうだが』
軽く笑む煉獄。
かごめ「そして、城主に謁見した後に、空から現れた大蜘蛛を珊瑚ちゃんが退治しました。珊瑚ちゃんは里の一番の手練れなんだそうです。あたしと同じ歳なんですけど』
煉獄「大したものだな。蜜璃も15だが、彼奴は蜘蛛は大嫌いだと前に騒いでいたから無理かもしれんな」
かごめ「蜜璃?誰ですか?』
煉獄「恋柱だ。俺の弟子だったんだ』
かごめ「続けます。まだ微かに息のある蜘蛛を倒すために駆け寄ろうとしていた琥珀君でしたが…蜘蛛が図体のわりにやけに手応えに欠けると珊瑚ちゃんが訝しんだ時に、悲劇が起きたんです。琥珀君がいきなり、自分の手にしてた鎖鎌で、仲間達とお父さんを…皆殺しにしてしまったんです。珊瑚ちゃんの眼前で…!その目は、明らかに正気じゃ無かったって後から珊瑚ちゃんが言ってました』
煉獄「…っ?!何だと!其れは本当か!!』
かごめ「ええ。その時珊瑚ちゃんは、城主が明らかにおかしいって気づいたんです。涎を垂らして、目は虚ろな上に頸の辺りからは蜘蛛の足みたいのが見えてたと…それで、その依頼其れ自体が…』
煉獄「初めから仕組まれていた巧妙な罠だったと気付いた…という訳か。君達を丸ごと始末する為にか?』
かごめ「いいえ…先々まで計算されていたんです。その瞬間琥珀君は正気に戻って、恐怖で錯乱したまま、其奴は人間じゃ無いって叫んで城主を倒そうとした珊瑚ちゃんに駆け寄ったんですが、その直ぐ後…』
待てと制し、煉獄は、
煉獄「言わなくてもそうなれば察しは付く。周りの家臣達は殿の様子ががおかしい事には気づかなかったのだろう?なのにその場で城主に牙など剥けば…如何なるか等、火を見るより明らかだ。乱心扱いされ、家臣達に八つ裂きにされる』
3人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みこち | 作成日時:2022年4月4日 21時