26 ページ26
ギリ…ギリリ…！！
何と、煉獄の右手首と腰の辺り、両の足首に鎧縄が巻き付いている。先の鉄線入りの幾本かの縄を引いているのは…！
炭治郎「中在家さん！」
頷き返す長次。傍らには仙蔵達6年生達が…文次郎が軽く周りの木立を視線で示す。
勘右衛門「(口に出さずに矢羽根と仕草で)此処は任せて」
久々知「(今突破口を作りますから！)」
示された先に目を向けると、人形達の結界の上の周りの木の上にいつの間にか5年生達が居る。
煉獄(如何する気だ？彼等では鬼を斬るのは不可能だと言うのに！)
鬼に気付かれたら最後だ。
幸いな事に鬼は、結界内部の標的しか認識出来無いらしく仕掛けてくる様子は無い。
5年生達は、袂から小降りの手鏡を取り出すと、頭上の木立の隙間から射し込む陽光を当てて、仲間達の持つ鏡に次々に送る。
煉獄(鏡…？っ！成る程、考えたな！)
最後に光を受けた久々知が、開いたままの祠の中にその光を照らす。
すると…！
ジュウゥゥゥ…！！
？「ぎ、ギャアアア―ッ！！や、止めて！熱い！」
少女のような悲鳴が上がるや、
煉獄「…っ！躰が動く！今だな！」
煉獄は祠を睨み、隊服のポケットに手を入れると、中から藤の花を乾かして砕いた粉に藤の花の毒を含ませた粉を詰めた紙包みを取り出し、
煉獄「頼む！効いてくれっ！」
シュッ！
祠の開いた扉の中に勢いを付けて投げ入れた。
バフッ！
ギアアアアア―ッ！！！
藤の花の粉を真面に浴びたらしき鬼は、耐え難い耳障りな叫びを上げる。
善逸「ウエエ…どうも女の子の鬼は苦手だ。ましてやちっちゃな女の子の鬼は…斬るにしても苦しませたくないんだよな…」
煉獄「何を呆けているんだ君達！今ならやれる筈だ！速く奴の頸を落とせ！」
伊之助「任せろギョロギョロ目ん玉！」
炭治郎「はい！行くぞ善逸」
善逸「ああ、今解放してあげる。もう少しだけ我慢してくれ！」
3人は祠へと駆け寄り、半開きの祠の扉を撥ね開けた。
だが…！
炭治郎「…えっ？！これは一体！」
仙蔵「如何したんだ！速く止めを…」
善逸「そ、其れがさ…」
伊之助「もぬけの空なんだよ！何にも居ねぇ！」
伊作「馬鹿な！そんな筈は…！」
すると、
？「残〜念でした〜。あたしは其処じゃ無いよ？さあ、あたしは何処に隠れてるか判る？お兄ちゃん達、早くしないと、周りの子達から先に食べちゃうかもね」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
EM - 炭治郎が日輪刀を無くしてキレた時の台詞ですよね？ (2022年1月20日 0時) (
レス) @page1 id: 41f79f6239 (このIDを非表示/違反報告)
みこち(プロフ) - EMさん» 有り難う御座います。因みに、タカ丸のこの台詞、鬼滅の刃の遊郭編のいつ頃か判りますか？ (2022年1月19日 21時) (レス) @page1 id: e0b3c2b120 (このIDを非表示/違反報告)
EM - 続編おめでとうございます。 (2022年1月17日 12時) (レス) id: 41f79f6239 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みこち | 作成日時：2022年1月17日 11時
