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さくり…揚げたての揚げ物は旨さがやはり違う、
煉獄「旨い!!』
おばちゃん「あ、あら有難う…貴方凄く声が大きいのね』
尻尾の肉を厚切りにした物をカツに仕上げているらしく、熱で程良く溶け出した脂が素晴らしい旨味を出している。
油麩の味噌汁も、良い出汁が出ており、口の中で柔らかく崩れ、コクが堪らない。
炭治郎「本当に美味しいですね…此所の生徒さん達は、いつもこんなに暖かな味のご飯を食べてるんですね』
煉獄「真心込めて作った料理には、食べた人の心さえも満たす力が在るのだ。俺の母君の手料理もそうだった』
おばちゃん「嬉しい事言ってくれるのね。有難う』
炭治郎達は夢中で箸を動かして口へと運ぶ。
善逸「油麩なら、俺何度かじいちゃんに喰わせて貰ったよ。これ出汁が凄く出るし、卵とかで和えても旨いんだよ』
おばちゃん「あら、貴方もあれ食べた事在るのね。油麩丼って言ってね、仙台の郷土料理なのよ。卵と出汁でとじて作るんだけどね。下手な親子丼より好きな人も居るくらいよ』
煉獄「ほう。今度千寿郎に作って貰うか!』
伊之助に至っては、那田蜘蛛山に入る前に休息の為に入った藤の花の家で出された夕餉を食べたときのように、カツの切り身を手掴みで口へと入れている有様だ。
流石に見かねたのか、煉獄が咎めている。
煉獄「こら、猪頭の少年、握り飯では無いのだぞ!揚げ物を手掴みで食べてはいかん!』
しかし、この方が旨いとか、山ん中にゃ箸や匙何か無いんだから良いだろ等と言う始末で止める気配が無い。
おばちゃんはまあまあと苦笑いしながら、喜んで食べてくれているし、お残しさえ為ないなら、大目に見ると言ってくれた。
おばちゃん「ご存じかしら、印度って言う南蛮の国じゃね、焚いたお米に香辛料と肉や野菜を煮込んだ汁物を掛けて食べる料理があるそうなんだけど…何でもね、その国では、その料理は素手で、其れも右手で一口分ずつ掬い取って食べるのが正しい食事の礼儀作法だそうよ』
炭治郎「えっ?其れ…多分カレーライスの事でしょう?本当なんですか!汁物を掛けた白米を素手で食べるなんて…』
おばちゃん「本当よ。但し、左手では決して同じ事はしてはいけないそうよ。何でも宗教的な意味から来てるらしくて、右手は清浄、左手は不浄とされているそうなの、だから、左手じゃ食べてはいけないって事に為ってるらしいわ』
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EM - 炭治郎が日輪刀を無くしてキレた時の台詞ですよね? (2022年1月20日 0時) (レス) @page1 id: 41f79f6239 (このIDを非表示/違反報告)
みこち(プロフ) - EMさん» 有り難う御座います。因みに、タカ丸のこの台詞、鬼滅の刃の遊郭編のいつ頃か判りますか? (2022年1月19日 21時) (レス) @page1 id: e0b3c2b120 (このIDを非表示/違反報告)
EM - 続編おめでとうございます。 (2022年1月17日 12時) (レス) id: 41f79f6239 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みこち | 作成日時:2022年1月17日 11時