62 今年の抱負 ページ13
私を席に座らせると、弟者さんがリビングに現れた。
「美味しい匂いがするー!Aさんが作ったの!?」
「あ、いや、私はお手伝い程度しか、してない…です…」
「…あれ?」
「料理は不得意で…」
「じゃあ、おついちさんに教えてもらいなよー!美味しいし、優しく教えてくれるよ?」
ドンッ!!!
兄者さんは飲み物を持ってきてくれた。
が、置き方が…。
大きな音を立てて弟者さんの前に置くと、細めた目で弟者さんを見下ろしていた。
「おっつんと二人きりになんて許すかよ」
「へ?へ?」
おついちさん何かやらかしたの!?と慌てる弟者さん。
「Aちゃんを取ろうなんてしてないし、思ってないよぉっ」
怯えた様子でテーブルに料理を運ぶおついちさん。
「あ、兄者さんっ、落ち着いて!座りましょ、ね!?」
隣にいる兄者さんの腰に抱き付くと、先程の殺気が嘘のように消えていくのが分かった。
「…んー」
力が抜けたように席に座り、私の頭を撫でて遊んでいる。
それを見て弟者さんはぽかんとしていた。
「今年もよろしくお願いします!かんぱーい!」
弟者さんが乾杯の音頭をとり、中央でグラスを鳴らす。
美味しい料理とドリンクで宴は盛り上がっていた。
話の話題は今年の抱負。
弟者さんはチャンネル登録者数200万人突破。
おついちさんはホラーゲーム克服。
私は苦手分野、特に料理克服。
兄者さんは私を彼女にする。
聞いた瞬間、口の中の飲み物を吹きそうになった。
「よ、よく皆さんの前でそういう事言えますねっ!」
「俺は今年の抱負を述べたまでだ」
「兄者〜、有言実行しろよな〜」
「僕も応援してるんだからねっ!」
早くくっ付いてもらわないと命が危ない、とおついちさんは続けた。
弟者さんとおついちさんからの質問攻めに合う。
まだその気になれない?
キスくらいはしたの?
他に好きな人いるの?
俺じゃダメ?
…。
バシコーン!!!
「あいたーっ!」
弟者さんの頭に兄者さんの平手打ちがクリーンヒットした。
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うてちん(プロフ) - 20000hit&お気に入り登録、ありがとうございます!!! (2018年5月20日 16時) (レス) id: 77d85dec44 (このIDを非表示/違反報告)
うてちん(プロフ) - 13000hit&お気に入り登録、ありがとうございます!!! (2018年2月5日 22時) (レス) id: 77d85dec44 (このIDを非表示/違反報告)
うてちん(プロフ) - DOotakufujyosiさん» 只今、締切から解放されてますw (2018年2月5日 22時) (レス) id: 77d85dec44 (このIDを非表示/違反報告)
DOotakufujyosi(プロフ) - うてちんさん» ドンさんエンド待ってるぞ!! (2018年2月4日 20時) (レス) id: 53ca2769fb (このIDを非表示/違反報告)
うてちん(プロフ) - はくや。さん» コメありがとうございます!そう、私もおっつん推しなのに、この作品を書いている間は兄推しかも?と錯覚してしまうほど感情移入してしまいました。そして次はドンさん推しになる事でしょうw (2018年2月4日 19時) (レス) id: 77d85dec44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うてちん | 作成日時:2018年1月12日 14時