ミセス ナシゴレン

6 至福の時間 ページ7

アラームで目覚めるとムクリと起き上がり、まだ眠い目を擦った。
スマホを手に取り音を止める。
ホーム画面に戻って昨日届いていた通知を確認する。
あ、みんなだ。
あるアプリでグループを作り、昨日そこでみんなと連絡先を交換したのだ。
これからよろしくねという類のコメントが並ぶ中、ぺちゃんこさんから選曲は2曲でと訂正が入っていた。
被る可能性があるから、ということらしい。
確かに、みんな同じ曲選んだらやり直しだし二度手間になる。
さすがぺちゃんこさん！

それと、グループとは別におついちさんから個人的にメッセージが届いている。
おついち兄者にAちゃんがファンだって事伝えといたからね♪
お、おついちさん！
なんて事してくれたのぉぉぉーっ！？
もし、万が一だよ？
兄者さんと対面する事になったら、私ネコ被れないじゃないですかっ！
ミーハーだって思われたくないから黙っていたかったのに…。
まぁでも会う事はないだろうし、大丈夫か。
おついちさんは悪くないので
Aありがとうございます
と返しておいた。
あ、やばいやばい仕事行かなきゃ。
ドタバタと身支度をして会社へと向かった。

定時に仕事を終え直帰した。
冷蔵庫にあるもので夕食を作りパソコンの前に座ると、食事をしながらミス◯ルの曲を漁った。
私は中期が好きで、その頃のシングルから１曲、アルバムから１曲選ぶ事にした。
３０曲くらいからだったので意外とすんなり決められた。
他の人と被ってない事を祈るのみだ。
ちょうど夕食も食べ終え、時計を見れば弟ライブの時刻が迫っていた。
お酒とおつまみを用意して１時間半程の至福の時間を過ごした。

弟ライブが終わるとスマホが震える。
あれ、おついちさんからだ。
自撮り写真が貼られている。
笑顔でピースするおついちさんと、その他にピースをする手が２つ。
おついちこんばんは!手は兄弟だよ。
兄弟…。
まさか、兄者さんと弟者さん…っ！？

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