47 楽屋 ページ48
顔バレ厳禁の為、私とおついちさんは開場から終演まで楽屋に引き篭もる。
楽屋にはステージを映しているモニター、冷蔵庫、加湿器、エアコンなどがある。
コンセントもあるし、つまり引き篭もっていても快適なのだ。
三人称の三人は最後の打ち合わせをしている。
さすがに音を出すわけにはいかないので楽器は弾けない。
大人しくしてられないおついちさんは遊ぼ、と私を誘ってきた。
持ち運びのできるゲームプレイヤーを持ってきていた。
コントローラーが二つあるので対戦ができる。
ワーキャーやっているとあっという間に開演時間になってしまった。
ゲームを終了させ三人称のもとへ。
ナシゴレンの五人で円陣を組むと鉄塔さんが仕切り出した。
「本日満員です！お客さんに満足してもらえるよう全力を尽くしましょう！おついちさんとAもよろしくお願いしますね！」
頑張るぞ、オー！とみんなで気合いを入れ、三人はステージへと歩き出した。
私達は拍手で見送るとモニター前に陣取った。
「ねぇAちゃん」
「なんですか？」
「兄者と進展はあった？」
「へ…？」
えっとぉ…おついちさんはどこまで知っているんだ？
下手に喋ると要らんことまで話してしまいそうだ。
何もないです、と無難に答えてみる。
「兄者がこんなに夢中になってるの珍しいんだよ？おついちさんはね、兄者とAちゃんお似合いだと思ってる」
「お似合いだなんてそんなぁ、はは」
距離が近いから事情を知っているかもしれないけど。
さすがにドンさんの事までは知らないだろうからな。
でも三ヶ月前に鉄塔さん家へ遊びに行った時から二人のアプローチは激しくなって。
おそらくナシゴレンのみんなはドンさんの変化に気付いているはず。
あ、でも鉄塔さんだけは気付いてないかも…w
モニターを見ると、すでにステージには三人称が並び挨拶を始めていた。
「あっほら、始まりますよっ！」
話を逸らして誤魔化してみた。
モニターには笑顔の三人。
お喋りが上手いからさっそくお客さんを笑わせているようだ。
楽屋のドアは閉まっているが笑い声が漏れて聞こえてきた。
もしドンさんと付き合う事になったら、おついちさん残念がるかなぁ…。
どちらと付き合ったとしても二人共友達だから心中は複雑だろうな。
でもだからって自分の気持ちには嘘つきたくないしね。
こらっ、今はナシゴレンに集中っ！
お客さんの前で失敗できないんだから。
頬を叩いて邪気を払った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 125人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
うてちん(プロフ) - きゃー!!!50000hit&お気に入り登録、ありがとうございます!!!ビックリしたw (2018年4月3日 22時) (
レス) id: 77d85dec44 (このIDを非表示/違反報告)
うてちん(プロフ) - ひぃぃ！40000hit&お気に入り登録、ありがとうございます!!! (2018年2月1日 13時) (レス) id: 77d85dec44 (このIDを非表示/違反報告)
うてちん(プロフ) - ひぃ！いつのまにか35000hit！ありがとうございます!!! (2018年1月20日 23時) (レス) id: 77d85dec44 (このIDを非表示/違反報告)
うてちん(プロフ) - 30000hit&お気に入り登録、ありがとうございます!!!2万でも驚いたのに3万の大台も突破するとは思っていませんでした。そして思いがけない長編となっております。続きは【2】でご覧ください。これからもよろしくお願い致します！ (2018年1月13日 9時) (レス) id: 77d85dec44 (このIDを非表示/違反報告)
うてちん(プロフ) - 29000hit&お気に入り登録、ありがとうございます!!! (2018年1月11日 18時) (レス) id: 77d85dec44 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：うてちん | 作成日時：2017年11月19日 16時
