検索窓
今日:20 hit、昨日:2 hit、合計:102,194 hit

36 すっぴん ページ37

このままだと気持ち悪いので、結局化粧を洗い落とし私はすっぴんに。
どうせ兄者さんは私のすっぴんが見たいんだろ、と思った。
素顔を見た彼は幼くて可愛いじゃん、なんて呟き満足気な表情をしている。
たぶんブカブカの兄者さんの服とも相まってそう見えるのだろう。
部屋に戻ってくると兄者さんは徐ろに服を脱ぎ出した。
へ!?
「ちょっ、ちょっと!兄者さんっ!?」
多分ヒートテックだろう、肌着になった兄者さん。
「着替えさせろよ」
そう言って私が居てもお構い無しに着替え始めた。
ズボンに手を掛けたので急いで視線を外した。
男の人だからって、普通女の前で断りも無く着替える!?

ベッドに座りそっぽを向いている私の手を掴み、引っ張って一度立たせる。
掛け布団を捲りどうぞ、と言われる。
私が奥なのか…。
壁と兄者さんに挟まれる形。
何かあった時にすぐ逃げられないな、と警戒した。
けどさっさと入れと、背中を押され誘導される。
仕方なく潜り込むと、後から兄者さんが入って来た。
セミダブルくらいなんだろうが、隙間なく2人でピッタリといったサイズだ。
寝返りを打とうとすれば嫌でも触れてしまうだろうと思った。
当たり前だが枕は一つしかない。
兄者さんは洗面所から持ってきた数枚のバスタオルで調節の利く簡易的な枕を作ってくれた。
「高さ、大丈夫か?」
「ん…丁度良いです」
枕の高さを確認すると部屋の電気は消され豆電球に。
うわぁ、兄者さんの匂いに包まれてる…っ!
制限された視界で身動きが取れないと感覚は嗅覚に集中した。
適当にアラームをセットして眠りにつく。
「おやすみ」
「おやすみなさい…」

恥ずかしくて眠れないだろうから壁側を向いて横向きに寝る。
早く寝ろ私っ!
そう心の中で叫び、ぎゅっと目を瞑った。
「…っ!?」
嘘…。
兄者さんが抱きしめてきた。
腕が頭と腰の方に回されて密着している。
「あ、兄者さんっ…!」
「大丈夫。何もしねーよ…」
私は全然大丈夫じゃないんですけどっ!
心臓がうるさい。
彼に聞こえてるんじゃないか…。
やがて寝息が私の耳に入ってきた。

37 撫で心地→←35 兄者さんの部屋



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (56 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
125人がお気に入り
設定タグ:2bro , おついち , 三人称
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

うてちん(プロフ) - きゃー!!!50000hit&お気に入り登録、ありがとうございます!!!ビックリしたw (2018年4月3日 22時) (レス) id: 77d85dec44 (このIDを非表示/違反報告)
うてちん(プロフ) - ひぃぃ!40000hit&お気に入り登録、ありがとうございます!!! (2018年2月1日 13時) (レス) id: 77d85dec44 (このIDを非表示/違反報告)
うてちん(プロフ) - ひぃ!いつのまにか35000hit!ありがとうございます!!! (2018年1月20日 23時) (レス) id: 77d85dec44 (このIDを非表示/違反報告)
うてちん(プロフ) - 30000hit&お気に入り登録、ありがとうございます!!!2万でも驚いたのに3万の大台も突破するとは思っていませんでした。そして思いがけない長編となっております。続きは【2】でご覧ください。これからもよろしくお願い致します! (2018年1月13日 9時) (レス) id: 77d85dec44 (このIDを非表示/違反報告)
うてちん(プロフ) - 29000hit&お気に入り登録、ありがとうございます!!! (2018年1月11日 18時) (レス) id: 77d85dec44 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:うてちん | 作成日時:2017年11月19日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。