Nectar【川村壱馬】

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「なんか、最近多くない？LDHに関連してる事」









哲也さんがLDHの人だと分かってからというもの、そういった出来事が毎日のように起きる









マスターの差し金？









そんな風に考えて首を傾げていると









マ「もう〜、もっと賢い子でしょ君は」


「…馬鹿とでも何とでも言って」









賢くなんてない









それに、気のせいでもないと思う









「絶対マスター、私をLDHに仕向けてる」









でしょ？と得意げな表情をしてみると









また一枚上手な顔でこちらをはたと見た









マ「Aが知らなかっただけでしょ？」


「え？」


マ「壱馬の事を知ったから、LDHと関わりが増えたと思ってるだけだよ？」


「…実際そうよね？」








甘いな〜、と大げさに両手を広げて、外国人のようにふるふると顔を振った









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マ「ただの常連だと思ってた哲也だって、立派なアーティストだっただろ？」


「うん…てことは…え？まさか」


マ「そうそう。隆二や、玲於だってそうだ」









私、本当に知らなかっただけなんだ









マ「ここに珈琲を飲みに来るお客様はね…君にとってはいつもの常連さんかもしれないけれど、表向きは大人気のアーティストなんだよ」









ニコリ、と笑ってみせたマスター









「貴方は、何者なの…？」


マ「俺はただの、珈琲を淹れるおじさんだってば」









此処で働けばいいさ、と、居場所をくれたあの日の優しい表情は、今でも変わらない









マ「さぁ、今日の仕事だ」









パチン、と手を叩く音に、
どことなく背中を押された気がした









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「やだもう…デジャヴ……」









紙に書かれた地図通りに配達に来ると、横にも縦にも大きな会社がそびえ立つ









……壱馬の家に行った時と同じじゃないの









大きな荷物を抱えて、どうしたら良いものかと、来た道を行ったり来たりしていると









陣「あれ、Aちゃん？」


「へ…」


陣「俺やで！」


「陣さん！！」


陣「こんな所で何しとるん！！」


陸「ちょ…陣くん声おっきいってば！！」









スポーツでもしていたのか、お洒落なジャージのようなものを見に纏った陣さんに出くわす









その隣は…？









陣「あ、これボーカルの陸な」


陸「いや雑すぎでしょ」









何だろう、息ぴったり





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