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上昇していくエレベーターの端で小さくなる
「わ、私部外者ですからねっ
怒られても知りませんからねっ」
北「佐野珈琲の人は部外者ではないよ」
「……」
チラッとこちらを流し見てそう言う北人君
そもそも貴方と会ったのも2回目なのに…
北「着いた、行こ?」
はぁ…何でこうなったのかしら…
うちで出す新作のブレンドを、試しに持って行ってみてっておつかいを頼まれただけなのに…
北「そんな顔に出る?笑」
「へ?」
北「面白いぐらい今すぐ帰りたいって顔してるよ」
「…そんな事ありませんけど」
北「ふふ笑」
何が可笑しいのか、クスクスと笑われる
少し先を歩く北人君に、やっぱり帰ります、と後ろから告げると、くるりと振り向かれた
北「壱馬も居るのに?」
…壱馬も、居るの?
その名前に、昨日の熱っぽい彼の表情が思い浮かび、不本意ながら胸がきゅんと鳴いた
北「…っ、」
すると、北人君は手をグーにして口元を押さえ、少しだけ視線を逸らした
北「ほら、早く行くよ」
「わっ、」
そう思った瞬間、また手を少し引っ張られ、ガヤガヤと声のする扉へと向かって歩き出す
耳がほんのり赤いのは気のせい?
と、そんな事を考えてるうちに、あっという間に彼は、声のする方の扉をガチャリと開けていた
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北「遅くなりました〜」
健「遅すぎるよ〜もう翔平が北ちゃんのアイスも食べちゃっ…あー!!」
慎「あ」
翔平「なっ!!」
バッと沢山の視線がこちらへと向き、反射的にビクッと身体が強張った
やだ…怖い…
北「大丈夫だって」
そんな声が上から降ってくるけれど、奥の方に居る様々な人の視線や声に、顔をあげられずにいると
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壱「…A?」
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会いたい人の声が聞こえ、ゆっくりと顔を上げると、驚いた表情の壱馬が見えて
「壱馬…」
思わず鼻の奥がツン、としてしまう
壱「どしたん?何でこんなとこおるん…?」
優しい声が近付いた瞬間に、安心感が全身を包み込み、緊張で溢れそうだった涙が治る
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蘭(プロフ) - スーさん» 初コメントありがとうございます!この作品が大好きだと言って頂けたので、これからも頑張れそうです涙 そう言って頂けると自信がつきます!是非これからの展開も楽しみにして頂けたら嬉しいです(^^) (2019年11月18日 19時) (レス) id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - hkrさん» 何回も読み直して頂けているなんて…感激です…。長い文章を書いてしまっているため、読むのが大変だと思うので、尚更感激です…涙 これからも頑張りますので、是非楽しんで頂けたらと思います(^^)ありがとうございます! (2019年11月18日 19時) (レス) id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - みっちゃんさん» コメントありがとうございます!全て読んで頂けたなんて嬉しすぎます涙 楽しんで頂けているみたいで本当に嬉しいですし、これからも頑張りたいと思えます!是非これからも宜しくお願い致します(^^) (2019年11月18日 19時) (レス) id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)
スー(プロフ) - 初コメントです!いつも、楽しくよませてもらってます!この作品大好きです!これからも頑張ってください! (2019年11月18日 7時) (レス) id: d70ff03ee4 (このIDを非表示/違反報告)
hkr(プロフ) - 更新ありがとうございます! 蘭さんの作品が好きで何回も読み直してしまいます(●´▽`●) これからも更新頑張ってください! いつも楽しみにまってます(´∀`)!! (2019年11月18日 4時) (レス) id: 6c0b67dbf3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蘭 | 作成日時:2019年5月26日 22時