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ブラウスにかけた手が震えているのを自覚する
こんな事が起きてしまった以上、彼を騙したまま笑顔で一緒に過ごすなんて神経、流石に無かった
どうか…どうか嫌わないで。
愛されるという幸せを、ようやく知った矢先だった
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壱「…」
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玄関先でボタンを外していく私を、何も言わずにじっと見つめている壱馬
…彼にだけは嫌われたくないけれど
軽蔑されても仕方がない
三つ目のボタンを外し終え、ブラウスの襟を掴んでゆっくり下へ引っ張ると、少しだけ胸元が顔を出す
さっき起きた出来事が、走馬灯のように流れ出して、止まっていたはずの涙が溢れた
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壱「え？これ…」
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驚きと絶望が一気に表情として現れた彼の顔
夢だったらいいのに、と思ったけれど、恭介に付けられたその跡は、しっかりと残されていて
…ごめんなさい、壱馬
瞳の奥が漆黒に艶めいている彼は、ただ呆然と、胸元に付けられた跡を見つめている
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壱「……全部話して貰うけど、その前に」
「んっ！！」
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いつもとは違う、少し乱暴な彼のキスが落とされる
壁に片手を押し付け、もう片方の手は後頭部を押さえ込み、逃げられないようにホールドされて
大切な物を扱うような、いつもの優しい彼じゃなくて、それが少しだけ怖くて
でも
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壱「…はぁッ」
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何度も重ねる口付けで漏れた吐息の合間に、寂しそうで余裕の無さげな壱馬の表情が見えて
……私のせいで壱馬は傷付いてる
そう思うと、胸が締め付けられるように苦しかった
最後に、ゆっくりと唇を離される頃には、壁にもたれかかった身体がずり落ちそうになっていて
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壱「ごめんな…余裕持たれへんかった」
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その身体を持ち上げて立たせてくれた壱馬は、虚ろな目でそう呟き、それでも優しく手を引いて、ベットへと誘導して座らせてくれた
私の前へと腰を下ろした壱馬は、小さく息を吐く
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壱「…話せそう？」
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優しくないなんて、怖いなんて嘘だった
いつだって優しい壱馬の事を、失いたくない気持ちを持ったまま、コクリと頷き、意を決した
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蘭(プロフ) - かほさん» かほさん、コメントありがとうございます🤍待ってて下さってすごく嬉しいです…！もう誰も読まないだろうな…と思いながら気分転換に続きを書いてみたので、嬉しくて涙がほろりです🥲引き続きゆっくりとですが頑張りますので、よろしくお願いします！✨ (1月5日 20時) (
レス) id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)
かほ(プロフ) - 蘭さん、更新ありがとうございますｯｯｯ✨通知思わず二度見しちゃました！（笑）朝から良いことあって今日も頑張れそうです😆 (1月5日 6時) (レス) id: d126506225 (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - ありさんさん» 1年越しのお返事となり、申し訳ございません…！今でも待って下さっているか分かりませんが、ありさんが読んで下さってすごく嬉しいです！ノロマ更新となりますが、引き続きお楽しみにお待ちいただけるとすごく頑張れます🥲🩵ありがとうございます！！ (1月4日 23時) (レス) @page35 id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)
ありさん(プロフ) - キュンキュンしたり、うるっときたりで読んでいて楽しく、一気に読んでしまいました😆更新楽しみにしてます♥ (2022年9月25日 12時) (レス) id: 2acd1872cc (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - かほさん» かほさん、ありがとうございます！とても温かい言葉をいただけて嬉しいです🥲❤︎これからも楽しんでいただけるように頑張りますね！🤍 (2022年5月10日 22時) (レス) id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘭
| 作成日時：2019年11月18日 19時
