50（壱馬side） ページ1
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壱馬side
壱「…」
肩に置いた手を、沿うように頰へと持ち上げ、涙の跡を親指でなぞっていく
壱「…何でこっち見いひんの」
じんわりと熱を持ち始めた耳が赤くなっていて
触れられる事に対しての感度は見たままの姿で
なのに、何で目合わせてくれへんの…？
「…」
斜め下に落とされた視線は相変わらず
そっぽを向いた彼女を見るのは初めてちゃうけど、あの日と違うのは、きっと本人の気持ちだけ。
涙の跡をそっと撫でると、指先に綺麗な髪の毛が絡みつく
壱「なぁ…誰かに何かされたん？」
少し間を置いた後、眉間に小さく皺を寄せたAは、傾げるようにしてゆっくりと首を振った
…言いたくないのかもしれない
もしくは、言えない何かを抱えてる…？
壱「ん、分かった。今は何も言わんでええよ」
怖がらせてしまう事が多い関西弁
なるべく優しくAにそう伝え、頭を軽く撫でた
壱「そんな顔見せられたら一人にさせられへん」
帰ろうか一瞬迷ったけど、ここで帰ったらきっと彼女は良くない考えに至るんちゃうかな…
そう考えたら帰る訳にはいかなくて
何も言葉を発しない彼女より先に部屋に上がり込むと、徐ろに履いていたパンプスを脱ぎ、後ろからついて来たのを確認した
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壱「…っ」
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すると、トン、と軽い衝撃が背中へとぶつかる
服の裾を小さく引っ張っている小さな手が見え、背中の辺りに感じる体温と相まって
後ろから彼女が身体を寄せている事を知った
「壱馬…」
消えてしまいそうなか細い声
壱「…ん？」
服の裾を控えめに握る手の上から、自らの手を重ねると
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「お願い…抱き締めて」
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戸惑い、遠慮、苦しみ＿
その一言にきっと、Aは全ての感情を押し込めた
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壱「おいで」
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消え入ってしまわないように、後ろを振り返ってすぐに、彼女の身体を強く抱き締めた
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彼女のことはよく知らない
けれど
Aの事ほど知りたいと思える人は
世界中どこ探しても居らへん
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蘭(プロフ) - かほさん» かほさん、コメントありがとうございます🤍待ってて下さってすごく嬉しいです…！もう誰も読まないだろうな…と思いながら気分転換に続きを書いてみたので、嬉しくて涙がほろりです🥲引き続きゆっくりとですが頑張りますので、よろしくお願いします！✨ (1月5日 20時) (
レス) id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)
かほ(プロフ) - 蘭さん、更新ありがとうございますｯｯｯ✨通知思わず二度見しちゃました！（笑）朝から良いことあって今日も頑張れそうです😆 (1月5日 6時) (レス) id: d126506225 (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - ありさんさん» 1年越しのお返事となり、申し訳ございません…！今でも待って下さっているか分かりませんが、ありさんが読んで下さってすごく嬉しいです！ノロマ更新となりますが、引き続きお楽しみにお待ちいただけるとすごく頑張れます🥲🩵ありがとうございます！！ (1月4日 23時) (レス) @page35 id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)
ありさん(プロフ) - キュンキュンしたり、うるっときたりで読んでいて楽しく、一気に読んでしまいました😆更新楽しみにしてます♥ (2022年9月25日 12時) (レス) id: 2acd1872cc (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - かほさん» かほさん、ありがとうございます！とても温かい言葉をいただけて嬉しいです🥲❤︎これからも楽しんでいただけるように頑張りますね！🤍 (2022年5月10日 22時) (レス) id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘭
| 作成日時：2019年11月18日 19時
