お兄ちゃんはスーパースター【Kazuma.K】3

お兄ちゃんはスーパースター ページ22

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「……ねぇ、」

「ちょっとまこちに呼ばれちゃってさぁ」



和葉に連れてこられたのは自分の家の前。

エレベーターの中で和葉にLINEのトーク画面を見せられた。









Makoto壱馬さんボロボロなので


落ち着いたら連れてきてほしい


です。


絶対なんかあるからちゃんと話させてあげよ




了解です









「ということでございます」

「……無理、」

「無理じゃない。LINE見た？壱馬ボロボロなんだよ？」



ちゃんとあの事も言いなさい、と和葉。


話せと言われても、どう話せば壱馬さんが傷つかず心配せずに終われるのか分からない。

そんなことをずっとぐるぐる考えていると、いつの間にか家の前に着いた。

和葉がインターホンを押すと、慎くんが出てきた。


和葉にガッチリ手を繋がれて(訳:掴まれて)リビングに入る。

壱馬さんは目元にタオルを乗せてソファに横になっている。

慎くんのLINEの言葉通り、いつものキラキラオーラは一切ない。



「壱馬さーん。Aちゃん帰って来ましたよー」



慎くんの言葉に反応して、ガバッと起き上がる壱馬さん。

目が赤くなっていて、一瞬で泣いた後だって分かる。



「……じゃあ兄妹水入らず、お2人で話してくださいな」



和葉はそう言って、慎くんの腕を引いて家を出た。

2人の間に、なんとも言えない空気が流れる。








「……あのさ、」








先に口を開いたのは、やっぱり私より大人な壱馬さんだった。









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