お兄ちゃんはスーパースター【Kazuma.K】2

お兄ちゃんはスーパースター ページ5

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あれから時は過ぎ、ついにこの家から離れることになった。



「はぁ、……。」

「どしたん。家離れて寂しくなっちゃった？」

「あ、いや。壁に画鋲刺しすぎたなぁって」

「そっち？！(笑)」



心配して損したわ、と笑う壱馬さん。

海青くんとか陸さんとか呼んで手伝ってもらうのかと思いきや、『ちゃんと引っ越し屋さんに頼んだ方がええよ』と壱馬さんが言ったから、引っ越し屋さんに完全におまかせした。

せっかく心の準備してたのに。



「今回の引越しでも捨てられなかったものは思い出ですか」

「せやなぁ、思い出かなぁ。……なんやったっけそれ、(笑)」

「Mステのあれです(笑)」

「あー、そんなのもあったなぁ(笑)」



朝から私は壱馬さんに叩き起されて眠気が取れてません。


アラームかけてたはずなんだけど。

多分壱馬さんが切ったんだろうな。

だって壱馬さんしか切れる人いないし。



くぅは、『アンタせっかくの壱馬くんとの二人暮しよ？くぅは連れてくにきまってるじゃない』とさも当たり前かのようにお母さんが言ってたから、多分お母さんが海外の家に連れてく。

別にくぅは一緒でもいいんだけど。



「二人暮しかぁ。カノジョみたいやな」

「かのっ、？！」

「んふ、かわいー(笑)」

「かわっ、？！」



いやめちゃくちゃニコニコしてるけど！

天使の顔した死神なんですか？！

壱馬さんは私をキュン死させようとしてるの？！



「っ、ちゃんと兄妹ですっ！」

「焦っとる〜(笑)」

「もう！壱馬さん今日のご飯抜きにしますよ！」

「それはあかん！(笑)」



ごめんごめん、とニヤニヤしながら謝る壱馬さん。

ホントにご飯抜きにしましょうか？



「そーいえばさ、家行ってもご飯どころかベッドも何もないで」

「……すっかり忘れてましたね」

「どーしよ、ホテルでも行く？」

「……壱馬さんがそう言うとナンパ野郎に聞こえますね」

「うわ、Aちゃん変なコト考えとるー(笑)」



ホントに最近のJKは、とニヤニヤする壱馬さん。

ニヤニヤしてる。(2回目)



「別に最近のJKが変なコト考えてるわけじゃないですー」

「あら、じゃあAちゃんだけか」

「なんでそうなるんですか」

「自分で言うたやん(笑)」



ホンマにどうしようかなぁ、と壱馬さん。

和葉の家でも泊めてもらおうかと思っていたら、壱馬さんは何やら閃いたご様子。



……嫌な予感がするデス。()









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