まだ ページ27
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今日のスケジュールはリハ。
さっきマネージャーくんからグループLINEで連絡が来ていた。
更衣室が混む前にさっさと着替えてイスに座る。
昨日の続きを読もうと小説を開いた時、音を立ててドアが開いた。
「……壱馬、今すぐ会議室」
なんとも言えない空気がマネージャーくんを包む。
“怒り”でも“焦り”でもない。“緊張”に1番近いのかもしれない。
少なくとも楽しい雰囲気ではない。
多分これを言ったら目で殺されそうな雰囲気。
でも、さほど怖くはない。
「壱馬さんなんかしたんすか」
さっきまでスマホを触っていた樹が顔を上げる。
なんもしてない。
……とは言いきれない。
心当たりがない訳では無い。
口から出た言葉は思っていたものと違った。
「なんもしてへんわ、(笑)」
まさか、ないよな、……?
「い!ま!す!ぐ!」
「あ、はい、」
マネージャーくんに連れられて、会議室に入る。
会議室には、机を挟んで偉い人たちとAが向かい合って座っていた。
その机には、1枚のモノクロに印刷された紙が置いてあった。
lie、THE RAMPAGE川村壱馬
誕生日デート?!
マスクもキャップもしているけど、ファンが見れば多分俺だってすぐバレるであろう写真がど真ん中にある。
Aの顔は隠されている。
そりゃあそうだ、顔出ししていないAは隠すに決まっている。
まさかとは思っていたけど、本当にそうだっただなんて。
ドキッとはしたものの、思っていたよりも危機感は感じなかった。
「lieさんにも聞きましたけど、これは本当ですか?」
「……はい、」
lieに聞いたならもう俺に聞かなくてええやんか。
そんな考えを心に押し込んで頷く。
「付き合ってはいないんだね?“まだ”」
“まだ”を強調したHIROさん。
不思議と、さっきの緊張した雰囲気はなくなっていた。
これをチャンスだと捉えることは良くないことなんだろうか。
「……A、俺これ現実にしたい」
「は、?」
「Aは違う?」
なんでお前なんかと。
そう笑われることを覚悟していた。
でも思ったよりも嬉しい回答が返ってきた。
「……私も、」
「っ、俺と付き合ってください!」
「お願いします、」
((……俺らって今遠回しに惚気聞かされてるのかな))←偉い人たち
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L(プロフ) - katayose08さん» コメントありがとうございます!わわわ!お誕生日おめでとうございます!このコメント見て私もにやけました(笑) なんて偶然……!壱馬さんにエメラルドグリーン貰っちゃってくださいっ(はーと) これからもよろしくお願いします! (2020年6月7日 20時) (レス) id: c720a73cf9 (このIDを非表示/違反報告)
katayose08(プロフ) - コメント失礼します!実は私今日誕生日で…(だから何って感じですみません)まさか好きな作品でこんな偶然…奇跡があるなんて思わなくて1人悶えてます…!いつも応援してます!これからも頑張ってください! (2020年6月7日 19時) (レス) id: c639772b61 (このIDを非表示/違反報告)
L(プロフ) - おしおさん» コメントありがとうございます!わわ!そう言っていただけてめちゃくちゃ嬉しいです(涙) 更新頑張ります!よろしくお願いします! (2020年6月4日 12時) (レス) id: c720a73cf9 (このIDを非表示/違反報告)
おしお - めっちゃ面白いです!これからも更新頑張ってください!体調、お気を付けてください(^-^) (2020年6月4日 11時) (レス) id: 9ab6e33145 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:L | 作成日時:2020年6月3日 10時