lie or real？【Kazuma.K】

素直じゃねーの ページ18

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『A、今日も行くやろ？』



『私引っ越すことになってん、』



『なぁ、また会えるよな、？』







『やっと会えた、……』









ふと目が覚めた。

目の前で壱馬がスマホを触りながら背中をトントン叩いてくれている。

何故かまたベッドに移動させられていた。


なにやってんねやろ。

そう思った時、壱馬はぱっと顔を上げた。



「おはよ。いつから起きとったん」

「さっき」





　『やっと会えた、……』





壱馬が心からそう思ってくれてたなら嬉しい。

私もずっと会いたかった。

早く見つけて欲しい、とずっと思っていた。


熱で心が弱ってしまっていたのか何も考えずに壱馬に抱きついた。



「どしたん、寝ぼけとんの」

「……うん、」

「ふは、そっか(笑)」



じゃあそのままな、と壱馬は私を抱き上げる。



「近い、」

「不可抗力やな」

「移ったらどーするん」

「移したの俺やし、そんなすぐまた貰わんやろ(笑)」



ちょっとぐらい我慢しぃや、と壱馬は私をソファに降ろす。

キッチンに戻って、お粥を持ってきてくれる壱馬。



「美味しそうやろ」

「見た目はね」

「素直じゃねーの(笑)」

「そういえば服変わっとるやん」

「さっき1回家帰ってん」



あと2泊ぐらいなら余裕やで、と笑う壱馬。

お泊まり会じゃないんだから。


壱馬は気にせず、ブランケットをかけてくれた。



「A、LIVE来てくれてたん？」



俺のメンプロやん、と壱馬。

……隠しておけばよかった。



「……別に、碧ちゃんと朱里ちゃんが好きなだけだし」



苦しまぎれの言い訳として考えついたのがそれだった。



「碧ちゃんと朱里ちゃんって誰やねん(笑)」

「メイクさんだよ」

「顔出しせぇへんのにメイクさんおるん」

「ヘ！ア！メイク！」

「はいはい、口開けてー(笑)」

「自分で食べれるし！」

「はいはい、大人しくしとってくださいねー(笑)」

「自分で、ん、」



……美味しい。









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