lie or real？【Kazuma.K】

ピュアな中学生 ページ14

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キッチンでAがお粥を作ってくれてる間、俺は繰り返しAの作った曲を聴いている。



lieの曲としては良い意味で今までにないような曲。

バラード調で、すぐに感情移入してしまいそうになる。


Aの才能なのか、それとも俺たちの関係に似ているこの歌詞のせいか。



それにしてもこの歌詞は俺たちの関係そのまんま。

逢いたくても逢えないような男女の関係。

手の届かないような存在になってしまっている。



まさか本当にこの関係を描いたのか。

……それはさすがに自意識過剰か。(苦笑)



ふとパソコンに目を向けた。

右から左へ流れるラインを目で追う。






この曲ってさ、俺らの関係そのまま描いたん?


Aは俺の事どう思ってる?


会いたかった?それともどうでもよかった?


昔『会えるよな』って聞いた時なんで何も言ってくれなかった?






……そう聞けたらどんなに楽か。

はぁ、と溜息をつき、また歌詞カードに視線を戻した。



するとその時、ぱっと左耳にあるイヤホンを後ろから取られた。



「お粥できましたよー」



びっくりしてAの方を向くと、思ったよりも近い場所にAの綺麗な顔があった。



「っ、ごめん、」

「ふは、ピュアか(笑)」



中学生みたいな反応だったよ、と笑うA。

またキッチンに戻って、コップを持ってきてくれた。



キッチンに行く途中、Aは髪を手ぐしでかきあげていた。

昔の癖がそのままだとしたら、照れ隠しだ。




中学生みたいだったのはAも同じ。

今は勝手にそう思っておくことにした。









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