深夜のブラックコーヒー ページ13
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しばらくすると壱馬は落ち着いたみたいで、今はホットカルピスを飲んでる。
「……あのlieさんが関西弁喋ったのん、やっぱり新鮮やな、(笑)」
壱馬はホットカルピスを両手で包み込みながら笑った。
女の子みたい、(笑)
「そーいえばlieになってから関西弁で喋ったん壱馬が初やな」
「ほんまに?嬉しい(笑)」
時々女の子みたいな所も、昔の壱馬のまんま。
変わってない。
壱馬はふと目の前のローテーブルに視線を移した。
「……仕事、忙しそうやな」
しおりの代わりに資料の端っこを挟んでる小説。
電源のついたパソコン。
付箋と蛍光ペンだらけの大量の資料。
ぐちゃぐちゃに絡まってしまっているイヤホン。
そしてダメ押しの深夜のブラックコーヒー。
壱馬の視線の先で、色々なものが散乱している。
……生活能力の無さの塊だ。
思いっきり見られた。
控えめに言って最悪だ。
でも壱馬は思ったより気にしていなさそう。
「あの甘党がコーヒーブラックで飲むなんて考えられへんわ」
「今でも甘い物は好きやで」
でもこの時間にコーヒーはあかんやろ、と壱馬は笑う。
その笑顔で、一気に心拍数が跳ね上がった。
そういえば昔からこの笑顔に弱かったなぁ……。
そんなことを思っていると、壱馬は電源をつけっぱなしにしていたパソコンを覗き込んだ。
「新曲?」
「うん、……でもしっくりきてないねんなぁ、(笑)」
「聞いてええ?」
「いいよ」
「ええの?」
「誰かに言うたらぶっ飛ばされる覚悟で聴いてや」
「絶対言われへんな(笑)」
壱馬は笑って、ローテーブルの上の絡まったイヤホンを器用に解いて接続した。
「なんか食べる?減量中やなければなんか作んで」
「え、いや、これ聴いたら帰るわ」
「さすがに事故寸前まで我慢してた病人帰す訳にはいかんやろ」
「あん時だけやで。ちょっとクラっと来ただけやし」
どこがちょっとじゃこのクソ色気、と心の中でツッコミつつ、お粥を作る準備に取り掛かる。
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L(プロフ) - katayose08さん» コメントありがとうございます!わわわ!お誕生日おめでとうございます!このコメント見て私もにやけました(笑) なんて偶然……!壱馬さんにエメラルドグリーン貰っちゃってくださいっ(はーと) これからもよろしくお願いします! (2020年6月7日 20時) (レス) id: c720a73cf9 (このIDを非表示/違反報告)
katayose08(プロフ) - コメント失礼します!実は私今日誕生日で…(だから何って感じですみません)まさか好きな作品でこんな偶然…奇跡があるなんて思わなくて1人悶えてます…!いつも応援してます!これからも頑張ってください! (2020年6月7日 19時) (レス) id: c639772b61 (このIDを非表示/違反報告)
L(プロフ) - おしおさん» コメントありがとうございます!わわ!そう言っていただけてめちゃくちゃ嬉しいです(涙) 更新頑張ります!よろしくお願いします! (2020年6月4日 12時) (レス) id: c720a73cf9 (このIDを非表示/違反報告)
おしお - めっちゃ面白いです!これからも更新頑張ってください!体調、お気を付けてください(^-^) (2020年6月4日 11時) (レス) id: 9ab6e33145 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:L | 作成日時:2020年6月3日 10時