登坂の妹は告らせたい！？-4- (ページ2)

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Aside

楽しそうに話す壱馬くんを見ながら私は釣り合わないと思ってしまう

私には、

私には友達なんて居なかった

楽しい学校生活なんて送った記憶が無かった

それはきっと自分に欠点があるから。

壱「やっぱりAと臣さんって仲良しやんなぁ」

幼少期から今に至るまで写っている殆どが兄との写真

そもそも写真はあまり好きでは無いAだが、父が撮りたがる為数は多い

「まぁ、兄とは昔から仲が良かったので。他の兄妹よりは」

壱「なんか俺とAの見てる景色って昔から違ったんやなぁって思ってさ

俺、Aみたいに頭良くないし、一人っ子やったから兄弟居らんしさ。羨ましいな」

.

「……………………私は壱馬くんが羨ましいです。

夢があって、友達だって沢山居て。何にでも真っ直ぐな壱馬くんが羨ましい

私なんて何も無いのに。夢だってしたい事だって無いし、求められるままに何をしたって上辺だけ認められても何も嬉しくないし、、、

私、壱馬くんが思ってるような人じゃないです」

壱「そんな事ないやん。俺はAの事大好きやで？

見た目や実力とかやなくて、Aの内面が好きやねんで？誰にでも優しくて、気配りが出来て…………」

「………………………じゃあそれが嘘だったら？

私ｯ、ずっと壱馬くんに好かれる為に、壱馬くんの前では良い子で居ただけなんです

.

皆、勝手に私の理想像を作り上げて本当の私をしったら失望して去っていく

.

だから、私じゃ壱馬くんに好きになって貰えないって思ったから"私"を演じてただけです。

本当は優しくなんて無いし、他の人の事なんて思ってない。

だけど思ってる事を言ったって人を傷付けるだけの私よりも皆、嘘の"私"の方が好きだから

だからきっと壱馬くんだってそうなんです

私は良い人じゃないから、そんな風に思わないでください」

やっと本当のAに触れられた気がした

ｷﾞｭｯ

壱「勝手に決めつけんといてぇや

俺がいつこんなAは嫌いとか言った？

Aだって俺の事全部なんて分かってへんやろ？

お互い様やで？それに、案外俺知ってるで？Aが俺の前では猫被ってんの笑」

今自分の元に引き寄せないと、Aが何処かに行ってしまいそうで力を込めて抱き締めた