家族ゲーム Episode 0 Part 2 (ページ10)

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第58話「相談」ページ10

近所の公園まで呼び出された。
いくら夏が近いとはいえ、さすがに夜の公園は少し冷える。
潤は園内に置かれてある木製のイスに座った。
家庭教師もその隣に座る。

吉本「何でしょうか？」
潤「申し訳ないんだけど、優子だけじゃなく、麻友も見てくれないか？」
吉本「と、言いますと？」
潤「アイツ、最近またフラフラ遊びまわっているみたいでな、心配なんだ」
吉本は目元を緩ませながら、潤を見ていた。

潤「な、何だね？」
吉本「いやぁ、やっぱりお父さんなんですね」
潤「何を言ってるんだ、当たり前だろう。父親が娘のことを心配するのは当然だ」
吉本「分かりました、引き受けます」
潤「すまないね」
そう言い、立ちあがったとき。

吉本「ただし条件があります」
予想外の言葉が相手から出たことに、潤は驚きを隠せずにいた。
潤「条件？」
吉本「前田敦子のことです」
潤「ああ、だから彼女は違うって…」
弁解しようとする潤の話を遮り、吉本は携帯に保存されている画像を見せた。
それは以前麻里子にも届いたメールの写真と一緒だった。

潤「なぜ…君がコレを？」
吉本「こないだ、知らないアドレスから送られてきたんです。
　恐らく、お母さんにも同じのが届いてますよね？」
潤は言葉が出なくなってしまった。
吉本「相当ショックを受けてたと思います、ずっと信じてきた人に裏切られたんですから」
家庭教師は話を続ける。

吉本「これからはお母さんの相談にも乗ってあげてください。
　結構、ご近所づきあいで困ってるみたいですから」
潤「き、君には関係の無い事だろ。これは夫婦の問題だ。
　このことと麻友のことは関係ない。とにかく頼んだよ」
潤は早足で公園を後にした。
その後ろ姿を見て、吉本は再び「いいねぇ」と呟いた。