家族ゲーム Episode 0 Part 2 (ページ32)

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第80話「夫婦関係はすでに壊れている」ページ32

敦子に別れ話を切り出されて以来、潤は完全に骨抜きになっていた。
当然、部下からは“役立たず”、“存在感なし”など影でレッテルを張られまくっていた。

潤「ただいま…」
麻里子「おかえりなさい、ご飯ありますよ」
しかし、テーブルの上に置かれてあったのは近所の弁当屋で売ってある弁当だった。
潤「いい、今日はもう食べてきた」
ウソだ。弁当で済ますなんて彼のプライドが許さなかった。
潤はそのまま寝室へと向かっていく。

麻里子は「そうですか」とだけ言うと、置いてあった弁当をそのままゴミ箱に入れた。
誰にも聞こえぬように、舌打ちも混ぜて。

吉本「じゃあ、“労働三法”とは？」
優子「えっと…、労働基準法、労働組合法、労働関係調整法！」
吉本は優子に口頭で抜き打ちテストを行っていた。
吉本「正解！いいねぇ～！」
優子「やった！」

吉本「見る見るうちに成績もよくなってるじゃんかぁ、よく頑張ったな」
吉本は優子の頭を乱暴に撫でた。
優子「髪の毛がクシャクシャになっちゃうじゃないですかぁ」
そう言いながらも、されている本人は嬉しそうだ。

吉本「じゃあ、次な」
優子「はい、何でも来てください！」
吉本「スゴい自信だな…、じゃあ重複立候補制とは？」
優子「えっ…」
さっきまでの勢いはどこに行ったのか分からなくなるくらい、優子は固まってしまった。

吉本「どうした？」
優子「えっと…」
こっそり教科書を覗こうとすると、吉本は手に持っていたノートで優子の頭を叩かれてしまった。
吉本「バカ野郎、カンニングするんじゃないよ！」
優子「アハハハ…」
吉本「分からないんだな？」
不敵な笑みを浮かべる吉本。
今回のテストにも間違えるとそれなりのペナルティーが科せられることになっていた。

優子「いや、分かりますよ！分かるんですけど…」
吉本「5！4！3！2！1！」
カウントダウンが余計に優子の頭をグチャグチャにさせた。
吉本「はい、終了～！」
優子「待って！あと5秒！」
吉本「ダメ～！」
腕をクロスさせ、×印を彼女に見せつける吉本。

結局、優子にペナルティーが与えられることになってしまった。