第75話「知りたくない現実」 ページ27
麻友が部屋に戻る途中、優子の部屋を覗いてみると
優子、友美、吉本の3人が楽しそうにジェンガをしていた。
吉本「ええ！そこ抜くの！？」
優子「もう勝負ですからね…」
吉本「やめといた方がいいんじゃない？」
吉本の心配をよそに優子は一本引き抜いた。
途端にジェンガの山がすべて崩れて行った。
吉本「ああ〜！だから行ったのにぃ〜！」
麻友「アホらし」
小さくつぶやき、部屋に戻っていった。
ちょうどそのとき、麻友の携帯に着信があった。
電話の相手は和也だ。
麻友「もしもし？」
和也「もしもし、麻友ちゃん？今ちょっといいかな？」
麻友「はい」
麻友は部屋のかぎをしっかり閉め、声が漏れないように環境を整えた。
和也「今日の件なんだけど、俺の方でもうちょっと調べてみようと思うんだ」
麻友「え？」
和也「麻友ちゃん、現に吉本の生徒なわけでしょ？あまり動くとアイツに感づかれると思うんだ」
麻友「なるほど」
和也「俺の方で“田子雄大”のこと調べてみるから、
麻友ちゃんは“前田敦子”のことを気付かれないように調べてくれないか？」
麻友「分かりました。気を付けてください」
和也「じゃあ」
それだけ言うと、和也は電話を切った。
珠理奈「お兄ちゃん」
和也が振り向くと、部屋には珠理奈が立っていた。
和也「なんだよ、ノックぐらいしろよ」
珠理奈「ゴメン、ご飯できたよ」
和也「おう、今行く」
すると、珠理奈は和也のパソコンに写ってあるページに気付いた。
珠理奈「何コレ…」
そこには『吉本荒野に気を付けろ』と書かれてあった。
珠理奈「お兄ちゃん、これ何…？」
和也「珠理奈、何かあったらすぐに俺に教えるんだ。いいな？」
和也は珠理奈を残し、部屋を後にした。
珠理奈はパソコンの画面を見続けていた。
第76話「それぞれが気付く異変」→←第74話「久しぶりの親友との時間」
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作者名：神楽リュウ | 作成日時：2013年6月20日 23時
