家族ゲーム Episode 0 Part 2 (ページ17)

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第65話「真実に迫ると…」ページ17

麻友「あの、先生？」
麻友が話しかけても、家庭教師は返事をしなかった。

麻友「先生！」
大きな声を出すと、ようやく反応を示した。
吉本「おお、ビックリした」
麻友「あの、聞きたいことがあるんですけど」
吉本「何？」

麻友が聞きたかったことは、本物の吉本荒野の部屋にあったあの写真の事。
そして以前、吉本の家に行った時に見つけた、写真の事。
この2枚の写真の意味を麻友は知りたかった。
だが、帰ってきたのは予想もしない言葉だった。

吉本「で？だからなに？」
麻友「だからって…、一体どういうことなんですか？」
吉本「見たら分かるだろ、俺の弟は本当に中学教師だったんだよ」
麻友「そういう意味じゃありません！なんでその写真に、あなたが写ってたかを私は…」
麻友の話を遮り、吉本は立ち上がった。

吉本「これ以上探るなと言っただろ？どうやら痛い目に遭わないと分からないようだな…」
少しずつ麻友に近づき、彼女の髪を手でつかんだ。

吉本「いいか、俺はお前らの家庭教師だ。お前らは、俺の言う事を聞いてればいいだけ。
　勝手に人のことを、コソコソ嗅ぎまわるな」
麻友「でも、あなたが私たちに何かをしようとしているのは、間違いないですよね？」
不穏な空気の中、麻友は屈すること無く家庭教師に立ち向かった。
するとようやく、吉本は彼女の髪を離した

吉本「いいねぇ、その強気な目。壊し甲斐があるよ…」
麻友は荒れていた息を整えると、家庭教師を睨みつけた。
麻友「あなたが何をしようと、私は負けない…。絶対に…」
吉本「い～いねぇ～！ハッハハハ！ヒャーハッハハハ！！！」
吉本は狂ったように、手を叩きながら笑った。
しかし、突然笑うのを止めたかと思うと、麻友を指差した。

吉本「お前が何しようとムダだよぉ、もうゲームは始まってるんだ」
麻友「…ゲーム？」
吉本「そう、これはゲームだよ。か・ぞ・く！げえ～む！」
それを言うと、吉本は何事も無かったかのように部屋を出た。

麻友「“家族ゲーム”…？」
吉本が出て行った後、直感した。
あの家庭教師はもしかすると自分だけでなく、家族にまで何かをしようとしているのではないかと。