私は平凡以下…【終わりのセラフ】

平凡8 ページ10

貴方side

〜夜〜

その日、街がとても騒がしかった

『何が起きてるの？』

窓に近づき外の様子をうかがう、遠くの方で爆発音がした

『火事、じゃない、なら何？』

《俺の力を使え、そうすれば聞こえるだろ》

『わかった』

いつもは抑えてる闇梨の力を解放していく、それと同時に紫色だった私の左目が赤く染まっていくのが窓ガラスに写っていた

『戦争？』

《みたいだな、知ってる声はあったか？》

『うん、暮人兄様と深夜兄様の声があった』

《何て言ってる？》

『う〜ん、何か鬼が出たみたい、暮人兄様が最高技術が詰め込まれたとかなんとか言ってる、知り合いなのかな？深夜兄様は慌ててるみたい？心拍数がいつもよりちょっと早い、て言うか闇梨も聞こえてるでしょ？』

《あ、バレたか………》

『それで、私はどうしたらいい？』

《何で俺に聞くんだよ》

『だって、いつも闇梨が決めてくれるじゃん』

《たまには自分で考えて行動してみろよ》

『え………』

自分で考えて行動？自分で考えて………

『どうやって考えるの？』

《…………………そういやお前はそういうやつだったな、人間の癖に驚くくらい自分の意思がない、お陰で全くと言っていいほどに欲がない》

『それがどうかした？』

《俺、今嫌みのつもりで言ったんだけど………》

『へぇ、そうなんだ、今のが嫌み、わかった今度言われたら嫌そうな顔してみるね』

《……………》

『闇梨？』

《お前に普通を求めようとした俺が馬鹿だったよ》

『え？』

何で私に普通を求めると闇梨が馬鹿になるの？

《まぁいい、此処にいろ、外の様子を聞く限りじゃそれが一番安全だ、下手に動いた方が逆に危険になりかねない》

『わかった、じゃあ此処にいる』

その日、私はいつも通り家から一歩も出ることなくこれまたいつも通りに過ごした

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