ビビりで臆病のアサシンは 3 【暗殺教室】 (ページ34)

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Isogai side. ページ34

「Aちゃん！？え、来てたの？」

『あ、ひろくんに磯貝くん。うん、結構前から...』

夏祭り会場で会った大切なクラスメイト
Aさんは、いつもと雰囲気が全く違った

お淑やかさが増して、凄く綺麗で

だけど、彼女の容姿を褒めるには...俺ではなく
隣でにこやかに話す幼なじみの前原の方が適任だ

俺にはこれ以上、前原の邪魔はしてはいけない

彼女に触れる事も、許されないんだ

幼なじみであり親友の前原の恋路を邪魔したくない

したくないのに、

"とぼけんなよ、俺は知ってるんだぞ？何年幼なじみやってんだと思ってんだ

お前、Aちゃんが好きだろ？"

"...え、いや、そんなことは"

"あるんだよ。...俺はお前の幼なじみだし親友だ

何年も付き合いがある友達の変化の一つや二つ、気づかない訳無いだろ"

気持ちに蓋をして「きっと気の所為だ」って言い聞かせて

その蓋を、前原がとっぱらってしまった

"...お前に言われて自分の気持ちに気付いたけど
でもだからって何か変わるわけじゃない、これまで通りだ"

"なんでだよ"

"お前と争いたくないんだ、分かってくれ前原"

精一杯の気持ちを親友にぶつけた

けど、お前はそれさえも避けてしまう

"それは俺だって同じだ。

けどさ、大切な親友だからこそ本気でぶつかって
本音で前に進みたいんだ。

俺はそろそろ、カルマや寺坂に取られる前に行動しないといけない

その中にお前も含まれてるからな、磯貝。

マジになろうぜ"

親友だから本気でぶつかりたい、か

考えてみたら、今まで喧嘩したことは無かったな
それが今、同じ人を好いていて譲れない気持ちが芽生えてしまった

でもライバルは前原だけじゃない

自覚している者、していない者

アピールしてる者、静かにチャンスを伺う者

俺は、

『磯貝くん、す、凄い量の金魚ですね！？
ピッチピチや...』

自覚して、

「嗚呼、家族皆の1食分浮いたよ」

『え"っ！？食べるの！？』

静かにチャンスを伺うよ。