ビビりで臆病のアサシンは 3 【暗殺教室】 (ページ28)

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Maehara side. ページ28

「暗いところ苦手だよな、俺の腕つかまってていいぞ

Aちゃん」

『あ、ありがとうひろくん』

人に対してマシになったコイツは
暗い所ではまだビビり

そんな俺の幼なじみはガクガク膝を震わせて一生懸命俺の腕につかまる

『か、かかってこいや』

「喧嘩じゃねぇんだ;」

俺が小一の頃、隣に引っ越してきたコイツはすっげぇ臆病で
いつも母親の後ろに隠れていた

月日をかけて、仲良くなって
互いの家に遊びに行ったり、とにかく楽しかった

"ひろくんひろくん、みて"

"なんだよ"

"ゆーたいりだつー"

"...Aちゃん..........

そーいうのはもう1人の人間とするボケだよ、砂でだいり
つくるなよ...みててかなしいぞ"

"うっ..."

「大丈夫か？怖く、ないか？」

『だ、だだだだだだ大丈夫っ！』

「うん、大丈夫じゃないな」

俺の初恋はAちゃんだ

一緒に過ごしてきた日々が、その恋心を実っていく

けど、小学6年生の半ば
突如お前は消えてしまった

母さんにお前の居場所を必死に聞いたけど
全然答えてくれなくて

俺の気持ちも、悲しみも、初恋も
中学1年生に上がる頃の春に桜とともに散った

再会したお前は相変わらずで
俺の変わりように気づいていなかった

そりゃあそうだよな
髪も染めて振る舞いも変えて、女の子を取っかえ引っ変え
してる俺なんか昔の面影ゼロだもんな

けどお前は、昔2人で買ったおそろいのキーホルダーを
まだ持っていて
その時、閉じ込めていた想いがぶわーっと溢れ出したんだ

今度こそ手放したくない
また何も言わずにいなくなるなんてゴメンだ

なのにお前は

『は、班行動の時ね、寺坂くんにもこうやって私を助けてくれたんだぁ』

俺の前では必ず、別の男の名前を出す。