何ヶ月経ったんだろう 神様は残酷だ ページ9
渚side
ずっと君を待ってる
まだ目を覚まさない君を…
「…破壊してもいいんですよ」
僕らの担任はそう言った
「…そうだな…」
僕らの教官も
「こんな事あっていいのかしら…」
僕らの英語担当も
みんな…君が望むなら
この世界を壊したって…
君が目の前からいなくなるのはもう嫌だ
笑ってない
君を覚ますまで
僕らは何をすればいいの？
医者からいわれたこと
《覚悟を決めといてください、目を覚ますことは…高くても１％も無いでしょう》
かくごってなんだよ
そんなの分かんないじゃん
なんで…カルマ君を知らないあんたが言えるんだよ
「…なぁ」
クラス委員の磯貝くんがみんなに話しかけた
彼は
「…このままで良いのか？…あいつが…目を覚まして、こんな状態の俺たちを見て嬉しいか？」
「…」
「辛い…それは分かるだからこそ、笑わないとダメなんだと思うんだ」
彼は悲しそうな声で優しく言った
「そう…だよな」
「信じないとダメだよな！」
「あいつならきっと！」
そんな僕らの期待を裏切る
一本の電話が鳴った
「はい烏間です」
《至急病院に来てください、赤羽カルマの病態が悪化しました》
この言葉は
僕らの期待を
僕らの
希望を
奪うには充分だった
病院に行った時は
何が起こっているのかわからなかった
ただ睡眠薬飲んだだけで…
何がいけなかった？
もしかして救えてた？
そんな後悔ばかりだ
前よりも沢山の機械に繋がられていた
医者から説明を受けた烏間先生は
深刻な顔で病室に入った
「先生！カルマ君は…？」
「…植物状態のままの可能性があるそうだ」
「…っ…嘘だろ？」
「嫌だ…起きて下さい…」
全員がカルマ君の名前を呼び始めた
「か…る…ま」
途切れで
みんな呼び続けた
こうしたら起きるんじゃないかって
目を覚ましたくないなんて思わないで
僕らがいるのに！
「目を覚ましたくないなんて思わないでよ！僕らが…居るんだよっ！ずっと傍に！居るからさ！消えないでよ！
大丈夫だから、君を傷つける人間が現れたとしても僕らが助けるから！カルマ君」
『『目を覚ませよ！カルマ！／君／さん ！お願いカルマ!!』』
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作者名：茅野雪 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/HamadaFuka1/
作成日時：2018年6月24日 11時
