二人 ページ4
さすがに今の時期にりんごは高めで買えなかったので、今回は簡単に作れるマフィン。紅茶のティーパックに入っている茶葉が粉々になったやつで紅茶味、オレンジマーマレードでオレンジ味の2種類。アップルパイの約束だったけど、いいよね。喜んで貰えるといいな！
クラスの甘いものに飢えた人達(友達)からなんとかマフィンを守りきり、ダッシュで部室へ向かった。部室の前では神谷先輩が立ち尽くしている。なんだか今日はイライラしてるなぁ。
『先輩、その、昨日はありがとうございました。それで…』
「今先生が鍵探しに行ってる」
マフィン作ってきました。その一言が出てこなかった。さえぎられちゃって、言えない。本当にどうしたの……？こんなに怒ってる先輩見るの初めて。
「悪いな！はい、鍵。教育用のビデオ持ってく時に俺鍵返すの忘れてて…」
「別に開けれればいいので。ありがとうございます」
先生にも塩対応。慣れた手つきで鍵を開け、扉を押したまま先輩は中に入らない。
「早く、入って」
『ありがとうございます…』
なにそれめっちゃ紳士！怒っててもレディファーストだなんて、さすがイケメンですね。
ガチャ。
え？部屋に入った途端、鍵を閉める音がした。部室に入った神谷先輩が扉の鍵を閉めたのだ。つまり密室空間に二人っきり。
『先輩？』
さっきまでイライラしていた先輩が、急に疲れた表情になり、
私に抱きついてきた。
え、なになになに！？少女漫画か！
「お前、当分他の男と話すんな。帰り道も、俺が送る」
『なんでですか？嫉妬？？( ´ ▽ ` )』
「……とにかく。言うこと聞いて。分かった？」
『んー、わかりました。先輩のこと大好きなんで言うこと聞きます。
マフィン作ったので食べましょ』
「…………うん」
なんでかは気になるけど、深入りはしなかった。先輩なりに考えがあるんだろうな。
紙袋からマフィンを取り出す。ふわっと紅茶の香りが漂って、心なしか甘い雰囲気になった気がする。変な感じ。
『こっちが紅茶味で、こっちはオレンジです』
「毒なんて入れてないよね？ほら、この黒い粉とか…」
『それは紅茶です！！』
ムードぶち壊しなんだけど！
先輩はちょっとマフィンの匂いをかいでから、一口食べた。
「うま」
『えへへ、やったー』
「A、なんでこんなうまいもん俺に作ってこなかったの」
『ごめんなさい！これからは全部先輩のために作ってきますよっ』
先輩からの「美味しい」は、魔法みたい。
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バニラ - SAWA?沙和さん» 嬉しいこと言わないでください！照れます///これからもよろしくお願いします(≧∀≦) (2019年9月21日 15時) (
レス) id: adff839c97 (このIDを非表示/違反報告)
SAWA?沙和(プロフ) - いつもニヤケながら見てます！ 応援してます！更新頑張ってください！ (2019年9月20日 21時) (レス) id: 2d2def3baf (このIDを非表示/違反報告)
バニラ - ななこさん» リクエストありがとうございます！楽しみにしていてくださいね〜(^^) (2019年9月15日 1時) (レス) id: adff839c97 (このIDを非表示/違反報告)
ななこ(プロフ) - 面白くてキュンキュンして最高です！！更新楽しみにしてます。リクエストなのですが、風邪を引いた夢主のお見舞いに行く神谷先輩の話読んでみたいです！！！ (2019年9月14日 23時) (レス) id: 94ee83a485 (このIDを非表示/違反報告)
バニラ - はくびしんさん» ありがとうございます！なくびしんさんを骨抜きにできるように神谷先輩にもたくさん頑張ってもらわなきゃ！ (2019年9月12日 21時) (レス) id: 16a99fba16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：バニラ | 作成日時：2019年8月30日 17時
