靡くほどに美しく壱 (ページ4)

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「で、たつ何かあったの？」

「べつにぃ～？なんもねぇけど～わら」

なんかあったかなかったかで言ったらなかった。
なかったというか、事実ない。

ちょっと気になること、はあるけど。

Aは看護師で毎日色んな患者さんの話を聞いているからなのか、話の引き出し方がうまい。

「この前の人のこと？……当たったでしょ」

この前の人というのは、気になる女の子とかじゃなくてなべのこと。
大学で仲良くなったなべを紹介したいものの、夜勤のあるAと俺ら2人の予定を合わせるのはなかなか大変。なべだって営業で出張も多いし。

「んぁ、あたり～なんかさぁ………」

なんか、別に何か言われたとかじゃないんだけど、最近なべがあんま一緒にランチ行ってくんないのよ、寂しいとかじゃないんだけど。

誘っても今日はパス、とかコンビニでいいや、とか。

前までは2人で毎日ラーメン行ってたのにさぁ。

だいたいこんな内容。この話をして色々聞いてもらって満足したらそのまま寝ちゃったらしく、夜中に叩き起された。

その頃には食器は片付けられててAはお風呂上がったところだった。

「なべくんも心配だけどたつも疲れてるでしょ？お風呂はいって寝な？ソファーだけど。笑」

おやすみーと言い残して明日も休みだというAは寝室に消えていった。