6話 ページ8
目の前の男、死柄木弔が俺の腕をぐっと引っ張り制服の袖をまくった。
醜い傷跡だらけの肌が空気に晒される。
『やめっ!!』
「このアザ、親がやったんだろ?まあ血が繋がってないんだから親とは言わないか?」
『っ!なんで知って...』
「お前のことならなんでも知ってるよ、終尾A」
そう言ってパっと腕を離し、俺の顔をのぞき込んだ。
顔色が悪く、荒れた肌が街灯に照らされてくすんで見えたが、燃えるような赤い瞳だけが不気味に光って綺麗だった。
「なぁ、こっちに来いよ。
ちょうど欲しかったんだ、回復キャラ。
それにお前は、前線でも戦える。使いようによっちゃチートみたいなもんだろ。」
『なに、言って』
「だからさぁ、来いよ。こっち側に。ヴィランになっちまえよ｡」
『ヴィラン！お前...』
「おかしいと思わないか？こんな不条理ないだろう?生まれた時から蔑まれて、誰からも求められなくて、傷付けられてさ。世の中不公平だろ。」
『それは...』
ぐっと唇を噛み締める。
俺がずっと思っていたことだ。
押し殺してきた思いが湧き上がってくる。
「俺は認めてやるよ。
今まで辛かったろ?苦しかっただろ?
悪いのは自分だって、そう思うことでしか生きて来れなかったんだろ?
でもそれは違う。悪いのはこの世界だ。
あんたを認めないこの世界が悪いんだよ。
だからさぁ」
荒れてボロボロの手が俺に向かって差し出される。
ご丁寧に親指は内側に折られて。
「こっち側に来いよ。お前を認めない、この間違った社会をぶっ潰してやろうぜ。」
まっすぐと見つめてくる赤い瞳に、俺は涙が止まらなかった。
初めて認められた。今まで俺を認めてくれる人なんていなかった。間違っているのは俺じゃないなんて。そんなことを言ってくれる人は1人もいなかった。
ただ漠然と思った。
俺の居場所は、ここなんだと。
差し出された手をとるのに迷いはもう無かった。
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小林くるみ - 主夢さんは女の子なんですか？ (2019年2月24日 19時) (
レス) id: fcdc749e3e (このIDを非表示/違反報告)
茜霧島(プロフ) - ありがとうございます！これからも頑張って下さい！ (2018年8月10日 23時) (レス) id: 299baa62bd (このIDを非表示/違反報告)
輝来-きら-(プロフ) - わー！ありがとうございます！！これからも楽しく読ませて頂きます！！ (2018年8月10日 20時) (レス) id: 5db744124f (このIDを非表示/違反報告)
紺碧(プロフ) - 朔さん» はじめまして！パスワード限定を解除させていただいたのでよかったらご覧ください！ (2018年8月10日 20時) (レス) id: a7b92d1ea5 (このIDを非表示/違反報告)
紺碧(プロフ) - 茜霧島さん» 茜霧島さんいつもコメントありがとうございます！新しく小説を作成するため非公開にしていましたが解除しましたので良かったら読んでやってください！ (2018年8月10日 20時) (レス) id: a7b92d1ea5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紺碧*konpeki | 作成日時：2017年7月16日 10時
