5話 ページ7
放課後。かっちゃんと話をするため、俺はバイトをサボった。
俺は携帯だなんて大層なもの持っていないから、無断欠勤を咎める電話は親父の元に行くんだろう。
帰ったら絶対に殴られる。
最近は本当に死んでしまうのではないかと思うほどに暴力を振るわれるようになった。
エスカレートしていく暴力が終わりを告げる時、それは俺が死ぬ時なんじゃないかな、とぼんやりと思った。
帰りたくない。
どんよりとした気分で公園のベンチに座る。
そんな俺の気持ちと裏腹に、空は憎いほどに澄みわたっていた。
日差しに目がくらむ
たしか今日はニュースで猛暑日になるだろうと言っていた。
ただ座っているだけなのに汗が滲む。
暑さで思考が奪われていく。
かっちゃん、
俺
なんで生きてるんだっけ？
結局、かっちゃんは公園に来なかった。
日が暮れてからもずっと公園で待っていたがかっちゃんが現れることは無かった。
午後9時。
いくら夏場だと言っても、もうとっくに日が沈み、あたりは闇に包まれた。
口が悪く不良じみたかっちゃんだけれど、根本は生真面目な彼は、中学生がこの時間に出歩くことをあまりよしとしない。
もう彼はここには来ないだろう。
ああ、かっちゃんも俺を必要としなくなったんだな。
出久にもかっちゃんにも避けられて、
じゃあ俺が生きてる意味って一体どこにあるだろうか。
苦しくて、涙が出てきて座ってすらいられなくなった俺はアスファルトにしゃがみこむ。
誰にも求められない俺ってなんなんだろう。
辛く苦しい暴力だけが待つ冷たい家に帰るのは嫌だ。
もういっそ消えてしまっても誰も気づかないんじゃないか。
誰も俺を求めてはいないのだから。
すると俺の頭上にふっと人の気配がした。
『なあ、俺と一緒にこんな世界ぶっ壊してやろうぜ』
顔を上げると街灯に照らされて怪しく光る真っ赤な瞳と目が合った。
『．．．誰』
「俺は死柄木弔。自己紹介は．．．こんな感じでいいか」
そう言って男は近くの電柱に触れる。するとコンクリートがボロボロと崩れ始めた。
『え...?』
「俺はお前を救いに来たんだ」
目の前の男はそう言ってニヤりと唇を歪ませて心底嬉しそうに笑った。
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小林くるみ - 主夢さんは女の子なんですか？ (2019年2月24日 19時) (
レス) id: fcdc749e3e (このIDを非表示/違反報告)
茜霧島(プロフ) - ありがとうございます！これからも頑張って下さい！ (2018年8月10日 23時) (レス) id: 299baa62bd (このIDを非表示/違反報告)
輝来-きら-(プロフ) - わー！ありがとうございます！！これからも楽しく読ませて頂きます！！ (2018年8月10日 20時) (レス) id: 5db744124f (このIDを非表示/違反報告)
紺碧(プロフ) - 朔さん» はじめまして！パスワード限定を解除させていただいたのでよかったらご覧ください！ (2018年8月10日 20時) (レス) id: a7b92d1ea5 (このIDを非表示/違反報告)
紺碧(プロフ) - 茜霧島さん» 茜霧島さんいつもコメントありがとうございます！新しく小説を作成するため非公開にしていましたが解除しましたので良かったら読んでやってください！ (2018年8月10日 20時) (レス) id: a7b92d1ea5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紺碧*konpeki | 作成日時：2017年7月16日 10時
