39話 ページ41
「Aを連れて帰る。」
そう言って勝己に抱きしめられた。
甘いニトロの香りが鼻を掠めた。
ひどい懐かしさに目が眩む。
三年前はどんなに辛くても、彼の隣でこの匂いに包まれていると不思議と安心して満たされたんだ。
あぁ、死んだなんて大嘘だ。
今でも未練がましく懐かしい日々の思い出に縋っている。
弱いままの俺に。
『なぁ、どうやったら消えてくれるんだ？』
勝己の胸の中で呟く。
背中に回る腕の力が強まった気がした。
『お前がいつまでもいつまでも俺の中に居座って消えないんだよ。
俺の中のお前らを何度も何度も殺そうとしたけど死んでくれないんだ。
なぁ、どうやったら死んでくれる？
教えろよ！！
なあ！！！』
「そんな事しなくていい。
お前は俺と一緒に帰るんだ。」
『うるさい！もう俺は"こっち側"の人間なんだ！戻れない！』
「大丈夫だ、今度こそ絶対に守ってみせる。」
勝己は腕の力を緩めて俺と顔を合わせた。
彼の瞳がまっすぐに俺を射抜く。
どうして今更そんな事言うんだよ。
なんで戻れるなんて簡単に言うんだよ。
『あはは
そうだ、そうだよ。
悪になっちゃえばいいんだ』
剥き出しになっていた壁の鉄筋に触れ、個性を発動して鋭利なナイフに変える。
『お前の言う本当の悪になってやるよ！！！』
もう絶対に戻れないところまで行ってしまえば、戻ってこいなんて言えなくなるだろ？
俺は勝己に向かってナイフを振り上げる。
「っ！やめろ！！」
ピンポーン
チャイムの音にピタリと手を止める。
「どーもォーピザーラ神野店ですーーー」
『は？ピザ？』
突然の出来事に驚いていると、考える間も無く扉が大きな音を立てて爆発した。
爆破と供になだれ込んできたのは
「オールマイト！？」
「先手必縛！ウルシ鎖牢！！」
「木！？」
一瞬のうちに弔や黒霧さん達がヒーローの個性で捕まっていく中、勝己は俺の腕を引き、守るように後ろ手に囲う。
オールマイト達ヒーローとそれに続いて入ってくる大勢の警官達。
「保護対象の爆豪勝己くん発見！
その後ろには...終尾Aだ！
爆豪くん！そこを退けるんだ！」
「やめろ！！こいつに手出すんじゃねぇ！」
勝己の背に隠され状況を把握できずにいる俺は必死に周りの情報を集める。
だめだこんな終わり方。
「これで終わりだ！死柄木弔！！」
こんな終わり方は許されない。
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小林くるみ - 主夢さんは女の子なんですか？ (2019年2月24日 19時) (
レス) id: fcdc749e3e (このIDを非表示/違反報告)
茜霧島(プロフ) - ありがとうございます！これからも頑張って下さい！ (2018年8月10日 23時) (レス) id: 299baa62bd (このIDを非表示/違反報告)
輝来-きら-(プロフ) - わー！ありがとうございます！！これからも楽しく読ませて頂きます！！ (2018年8月10日 20時) (レス) id: 5db744124f (このIDを非表示/違反報告)
紺碧(プロフ) - 朔さん» はじめまして！パスワード限定を解除させていただいたのでよかったらご覧ください！ (2018年8月10日 20時) (レス) id: a7b92d1ea5 (このIDを非表示/違反報告)
紺碧(プロフ) - 茜霧島さん» 茜霧島さんいつもコメントありがとうございます！新しく小説を作成するため非公開にしていましたが解除しましたので良かったら読んでやってください！ (2018年8月10日 20時) (レス) id: a7b92d1ea5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紺碧*konpeki | 作成日時：2017年7月16日 10時
