32話 ページ34
ブローカーに紹介された2人は無事に俺たちの仲間になった。
彼らのほかにも仲間が加わり、俺や弔、黒霧さんだけの頃と比べ随分と賑やかになった。
皆、俺たちヴィラン連合の思想に従い、ついてきてくれると言ってくれ、出会って間もない俺のことをひどく大切にしてくれる。
すべてが順調なはずだった。
けれど、それを素直に喜べない自分がいた。
拠点のバーで皆が各々に好きなことをしている中、俺は隣に座る弔にずっと抱いていた疑問をぶつける。
『弔、俺に何か嘘ついてる』
問い詰めるように弔を見つめると、伸びた色素の薄い前髪の隙間から、血のように真っ赤な瞳で真っ直ぐ見つめ返される。
「Aに嘘をついたことなんてない」
『じゃあ何か隠してる』
俺たちをトガちゃん達が少し離れた場所でハラハラした様子で見守る。
数秒間俺たちは見つめあったが、弔は諦めたように重々しく口を開いた。
「...爆豪勝己をヴィラン連合に引き入れる。」
『.....は？』
今、弔はなんと言った？
ばくごうかつき、ヴィランれんごう
この２つの単語に繋がりを見つけられずに何度も頭の中で反芻させる。
思わず顔を歪め、口に手を付く。
「A、これは皆の総意です。先生にも話は通してあります。」
俺を納得させるように口を挟む黒霧さん。
先生もこの事を認めている？
俺は慌てて周りを見回す。
皆が困ったような表情を浮かべていた。
『っ...俺だけ知らなかったのかよ！！』
「悪かった、お前を納得させる言葉が見つからなかった。」
『なんだそれ！なんだよそれ...』
俺はふらりと床に座り込む。
予想もしていなかった事態にうまく頭が働かない。
『無理、無理だ。かっちゃんがヴィランになるわけがない...かっちゃんは昔からヴィランが嫌いで、だから今の俺のことも嫌いで...』
「A、落ち着け。」
カタリと椅子から降りた弔は俺の隣に座り込み、そっと背中に触れた。
全てを壊してしまう、けれど俺にだけは優しく向けられる手。
それなのに今は、
その手をひどく振り払ってしまいたくなった。
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小林くるみ - 主夢さんは女の子なんですか？ (2019年2月24日 19時) (
レス) id: fcdc749e3e (このIDを非表示/違反報告)
茜霧島(プロフ) - ありがとうございます！これからも頑張って下さい！ (2018年8月10日 23時) (レス) id: 299baa62bd (このIDを非表示/違反報告)
輝来-きら-(プロフ) - わー！ありがとうございます！！これからも楽しく読ませて頂きます！！ (2018年8月10日 20時) (レス) id: 5db744124f (このIDを非表示/違反報告)
紺碧(プロフ) - 朔さん» はじめまして！パスワード限定を解除させていただいたのでよかったらご覧ください！ (2018年8月10日 20時) (レス) id: a7b92d1ea5 (このIDを非表示/違反報告)
紺碧(プロフ) - 茜霧島さん» 茜霧島さんいつもコメントありがとうございます！新しく小説を作成するため非公開にしていましたが解除しましたので良かったら読んでやってください！ (2018年8月10日 20時) (レス) id: a7b92d1ea5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紺碧*konpeki | 作成日時：2017年7月16日 10時
