26話 ページ28
「遅い」
開口一番にそう告げてきた弔は、バーの椅子に座り不機嫌な様子で頬杖を突いていた。
しまった、そういえば出かけることを彼に伝えていなかった。
『ごめん弔、来客はまだだろう？』
「それならたった今連絡が入って、こちらにお連れしようとしていた所です。」
『うわ、ギリギリだった。ごめんなさい黒霧さん。』
「大丈夫ですよ。ほら、弔も機嫌を直して。ブローカーをお呼びしますよ。」
「さっさとしろ」
せっかくの珍しい来客なのに申し訳ない。穏便に事が進めばいいが難しそうだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
「死柄木さん、"こっち"じゃ連日あんたらの話でもちきりだぜ。何かでけぇ事が始まるんじゃねえかって」
黒霧さんが繋いだワープから出て来たのは顔見知りのブローカーと、セーラー服を着た女の子、そして顔や腕に火傷跡を負った細身の男だった。ブローカー以外見知らぬ顔ぶれだ。ニュースや新聞でも見たことがない。
「で、そいつらは？」
投げ捨てるように弔が問う。
「そうだな、まずこちらの可愛い女子高生。名も顔もしっかりメディアが守ってくれちゃってるが、連続失血死事件の容疑者として追われてる」
「トガです！トガヒミコ！！ヴィラン連合入れてよ！弔君！！」
ぱっと見ただの女子高生にしか見えないが、立派な犯罪者らしい。
「次にこちらの彼」
「今は荼毘で通してる」
「通すな本名だ」
「出すべき時になったら出す。」
あぁ、今日はもとも機嫌が良くなかった弔だ。こんなのきっと...
「...黒霧、こいつらトバせ。俺の大嫌いなもんがセットで来やがった。
餓鬼と、礼儀知らず。」
やっぱり。
『弔...。ごめんね、今俺のせいで気が立ってるんだ。俺は君たちを歓迎するよ。』
「ふざけるなよ」
ゆらりと椅子から立ち上がった弔は2人を睨みつける。
「いけない、死柄木」
黒霧さんが慌てて制止しようとするが間に合わない。
「...ダメだおまえら」
2人に向かって手を伸ばし個性を向ける弔。それに応じようとナイフを取り出し弔に向けるトガと個性を発動させようとする荼毘。
寸前のところで黒霧さんの個性によって三人の腕はワープに呑まれ、バラバラの方向に送られた。
黒霧さんがやれやれといった様子で肩をすくめる。
俺は弔に駆け寄った。
『弔、俺がいるからって怪我していい訳じゃない。傷つくのはできる限り見たくないんだ、やめてくれ』
弔の片手を引き寄せ両手で握りしめる。
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小林くるみ - 主夢さんは女の子なんですか？ (2019年2月24日 19時) (
レス) id: fcdc749e3e (このIDを非表示/違反報告)
茜霧島(プロフ) - ありがとうございます！これからも頑張って下さい！ (2018年8月10日 23時) (レス) id: 299baa62bd (このIDを非表示/違反報告)
輝来-きら-(プロフ) - わー！ありがとうございます！！これからも楽しく読ませて頂きます！！ (2018年8月10日 20時) (レス) id: 5db744124f (このIDを非表示/違反報告)
紺碧(プロフ) - 朔さん» はじめまして！パスワード限定を解除させていただいたのでよかったらご覧ください！ (2018年8月10日 20時) (レス) id: a7b92d1ea5 (このIDを非表示/違反報告)
紺碧(プロフ) - 茜霧島さん» 茜霧島さんいつもコメントありがとうございます！新しく小説を作成するため非公開にしていましたが解除しましたので良かったら読んでやってください！ (2018年8月10日 20時) (レス) id: a7b92d1ea5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紺碧*konpeki | 作成日時：2017年7月16日 10時
