11話 ページ13
「子供を殺せば来るのかな？」
弔の言葉にヒーローと生徒達が凍り付いたのが分かった。
殺す、なんて言葉普通に生きてる子供が聞かされるようなセリフじゃないからね。
俺達は本気だけど。
『どうだろうね』
俺が弔と話していると、
「Aちゃん！本当にAちゃんなんだね！！」
『うん。
久しぶり、出久』
にこりと笑いかけてあげると、安心したように表情を崩した出久だったけれど、キッと弔を睨みつける。
「お前達がAちゃんを誘拐したのか！許せない！Aをちゃんを返せ!!!!!」
出久が叫ぶ。
俺を見て固まっていたかっちゃんも、同じように戦闘態勢に入る。
血の気が多いのも変わらないな。
懐かしく思っていると出久の言葉にピクリと弔が反応した。
「返せ?それは違う、違うよ緑谷出久。
Aは弱みを握られているわけでも、ましてや無理矢理こちら側に付かせた訳でもない。
Aは、自分の意思でこっちに居るんだ。」
「なにを...、言っているんだ」
驚いた様子の出久は、弔の言葉を聞いて固まってしまう。
「そのままの意味だよ。俺たちはAを誘拐なんてしてない。」
「ンなわけねえだろクソ雑魚がぁ!!とっととA返しやがれ!!」
そう言って爆破と共に殴りかかってくるかっちゃん。
俺は、かっちゃん対策で持ってきていた難熱材と自分の上着を合成して防炎シートを生成し、弔を炎から守る。
「んっで...なんでこいつを守る!!」
「はぁ。そういうの大嫌いだ。
自分の考えが絶対的な正義だと思ってる。
いつだって俺らは間違えで、お前らヒーローが正解なんだ。」
そう言って忌々しげに首を引っ掻きながら俺の隣に来た弔は、するりと俺の腕に自分の腕を絡めた。
ぎゅっと絡めた腕に力をいれて、頭を俺の肩に預ける。
「Aは他でもない、自分の意思でこっちにいるんだ。
お前らじゃなく俺らを選んだんだ。」
そう言ってとても嬉しそうに笑った弔を見て
かっちゃんは目を見開き、俺を見つめる。
そんなかっちゃんを見て俺は笑えてしまった。
一緒にいた時にはこんな表情見たことがなかったから。
今更、こんな状況で、幼馴染みの新しい1面を見つけるなんて。
怒った顔をしていない君はこんなにも可愛かったんだね。
知らなかったよ。
フッと笑みを零した俺を、かっちゃんはどう思ったんだろう。
もう知る由もないけれど。
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小林くるみ - 主夢さんは女の子なんですか？ (2019年2月24日 19時) (
レス) id: fcdc749e3e (このIDを非表示/違反報告)
茜霧島(プロフ) - ありがとうございます！これからも頑張って下さい！ (2018年8月10日 23時) (レス) id: 299baa62bd (このIDを非表示/違反報告)
輝来-きら-(プロフ) - わー！ありがとうございます！！これからも楽しく読ませて頂きます！！ (2018年8月10日 20時) (レス) id: 5db744124f (このIDを非表示/違反報告)
紺碧(プロフ) - 朔さん» はじめまして！パスワード限定を解除させていただいたのでよかったらご覧ください！ (2018年8月10日 20時) (レス) id: a7b92d1ea5 (このIDを非表示/違反報告)
紺碧(プロフ) - 茜霧島さん» 茜霧島さんいつもコメントありがとうございます！新しく小説を作成するため非公開にしていましたが解除しましたので良かったら読んでやってください！ (2018年8月10日 20時) (レス) id: a7b92d1ea5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紺碧*konpeki | 作成日時：2017年7月16日 10時
