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山本「……何ですか、これ」
案の定。そこに写し出されたのは、いじめを仄めかすような無数の呼び出し文章。Aさんからは返信を一つも送っておらず、ただ彼女への脅迫とも取れる言葉や文章が延々と述べられていた。その画面をみんなに見えるようあちら側に向け、僕の傍で体育座りしているAさんに問う。
嫌な予感は、的中したも同然だった。膝を抱えた彼女は二の腕に力を込めており、両腕を思いきり擦り続けている。微弱ながらに震える背中。完全に怯えている様子をした瞳は、僕らのことなんか写していなくて。スマホを見て、自身の膝に目を押しつける。
こう「これって……」
川上「…A、どういうこと」
『……別に』
伊沢「んなわけねぇだろ。どう見ても」
顔をあげない彼女。大きく上下する肩は、いつもより数段小さく見えた。この場にいる全員がAさんの口から説明されるのを待っている。福良さんは彼女の背中に触れ、軽く撫で始めた。力の込もった腕は徐々に脱力していき、Aさんは漸く顔をあげる。
福良「大丈夫だよ、俺ら傍にいるから」
須貝「説明、出来る？」
『……始まったのは、2週間くらい前です』
時々言葉に詰まりながら、それでも一言一句漏らさずに、受けた被害を全てを話してくれた。
2週間前。大学構内を歩いていたところ、数人の女性にいきなり声を掛けられて人気のない場所へと連れて行かれたらしい。そこに着くと、かなりの力で強めに突き飛ばされ、暴言を色々吐かれたそうだ。その時はそれで終わったものの日を増す毎にエスカレートしていき、最近は暴力まで振るわれるようになった。とのこと。
河村「なぜ、もっと早く相談してくれなかったんですか。僕達にも、必ず何かは出来た筈です」
『すみません。皆さん、忙しそうだったので……』
福良「そんなの、配慮してくれなくても良かったよ。だって仕事より、社員の方が大切だもん」
いつもの福良さんより数倍優しい声で発せられた言葉は、この場にいる全員の心に深く浸透する。彼の言葉を聞いて同じように頷くみんな。勿論、僕もまわりと同意見で首を縦に振る。
山本「…どうして、いつも、一人で抱えるんですか？一人で先に行こうとするんですか……」
『僕の、問題だから、僕が解決すれば……』
山本「ｯなんで伝わらないんだよ！！」
だんだん腹が立ってきて、思わず僕は怒鳴った。怠い身体を忘れたように、勢いよく立ち上がる。
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猫さくらもち - もう最高です！見つけて一気読みしちゃいました！設定の「izwさんがちゃんと挨拶するくらい珍しい」って場所で吹きましたwww確かに珍しいですよね！ (2022年4月13日 20時) (
レス) id: f692ce80b7 (このIDを非表示/違反報告)
すずどら - 菜々さん» メッセージありがとうございます！私生活の方で色々と問題が発生しておりましたが、周囲のサポートもあって解決の兆しが見えています。まだまだ不安定になったり、テストの影響で更新が出来なくなる可能性がありますが、気長に待って頂けると嬉しいです。 (2020年7月19日 0時) (レス) id: caaf2f8cbb (このIDを非表示/違反報告)
菜々(プロフ) - 密かに読ませていただいている者です。気長に待っておりますので、自分が納得できる作品を書き続けれるように応援しています。部外者が口を挟んで申し訳ないです。ですが、楽しみに待ってます！ (2020年7月17日 23時) (レス) id: e61bb105c2 (このIDを非表示/違反報告)
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