後輩なりの労い ページ11
こうちゃんside
山本「……完全に寝ちゃってますね」
福良「きっと疲れてたんだよ」
執務室に置かれたソファの上、正確にはソファに座る俺の太腿の上に、頭を乗せて眠る桜舞さん。少し血色の悪い顔にある目の下に出来た隈がよく目立ってて、また痩せたんじゃないかと感じた。先ほど大きな会議から帰ってきたばかりで、ドレス姿のまま、気を失うように深い眠りへと落ちていった。
現在、彼女が眠るソファの周囲には動画主要メンバーを始め、他ライター達も集まって桜舞さんを見つめている。中には写真を撮っている人も。
伊沢「まぁ撮影はまた出来るし、急ぎの仕事もない。取り敢えず寝かせといて、先に別の撮ろう」
こう「俺はどうすれば？」
河村「こっちは良いから、暫くそのままで」
須貝「校閲でもやっときな〜」
こう「そうですね笑」
視線を下げると覗かせる綺麗な寝顔。これなら写真を撮りたくなる気持ちも分かるなぁ、なんて考えながら見つめる。川上さんが仮眠室から毛布を持ってきて、ゆっくり桜舞さんに掛けた。彼は、彼女の落ち着いた顔を見て安堵したような表情を浮かべながら、彼女の目に掛かる前髪を避ける。すごく微笑ましい。
ここ数日、伊沢さんより忙しかったのに休もうとしなかった桜舞さんと、恒例の論争を繰り広げて福良さんに注意を受けたことがあり、また昔から無理しやすい性格の彼女を、幼馴染みとして心底心配していることもあって、気が気じゃなかったんだと思う。
が、しかし。川上さんもまた疲れきったような表情をしていた。動画出演は引退したが、その分、みんなの校閲を肩代わりすることが増え、それに加えて卒論を書いたりと忙しかった彼に、休む時間なんてなかっただろう。
伊沢さんと福良さん、河村さんに須貝さん、それから山本さんも、「川上さんにも休んでほしい」と裏では散々言っている。無論、その考えは俺も同じだ。日頃から忙しく休まない彼らは他人に言えないくらい同じようなもの。
どっちもどっち、団栗の背比べ、五十歩百歩、似たり寄ったり、たいして変わらない人間達だ。
フラフラとした足取りで自分のデスクへと向かう川上さんの背中は、桜舞さん同様、痩せたように見えた。周囲にいた先輩方は溜め息を溢す。
正直、見ていられなかった。
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猫さくらもち - もう最高です！見つけて一気読みしちゃいました！設定の「izwさんがちゃんと挨拶するくらい珍しい」って場所で吹きましたwww確かに珍しいですよね！ (2022年4月13日 20時) (
レス) id: f692ce80b7 (このIDを非表示/違反報告)
すずどら - 菜々さん» メッセージありがとうございます！私生活の方で色々と問題が発生しておりましたが、周囲のサポートもあって解決の兆しが見えています。まだまだ不安定になったり、テストの影響で更新が出来なくなる可能性がありますが、気長に待って頂けると嬉しいです。 (2020年7月19日 0時) (レス) id: caaf2f8cbb (このIDを非表示/違反報告)
菜々(プロフ) - 密かに読ませていただいている者です。気長に待っておりますので、自分が納得できる作品を書き続けれるように応援しています。部外者が口を挟んで申し訳ないです。ですが、楽しみに待ってます！ (2020年7月17日 23時) (レス) id: e61bb105c2 (このIDを非表示/違反報告)
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