【Q:K】完璧すぎる彼女はｰ4【all】 (ページ48)

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『ここに来て分かったんです。

この会社には無理をさせてまで働かせようとする人がいない。寧ろ「休め」「頼れ」が多いです。これまでの人生の中で頼ることを知らなかった僕は困惑して、同時に驚きもしました。
全員が誰かを頼り、誰かに頼られ。その姿がすごく、美しく見えた。無愛想で、今までずっと一人だった僕にも手を差し延べてくれて。そのお陰で僕は今、ここにいられるんです。

頼れる人が、頼ってくれる人が出来たから。

伊沢さん、福良さん、須貝さん、拓朗、山本くんや、こうちゃん。その他ライターさん。それと、

河村さん、貴方もです』

一瞬、何を言われたのか分からなかった。

いつも完璧な彼女が、僕を頼りにしている....？

あり得ない、そんなことは絶対に。

大体、貴女がいれば全てが回る筈だ。僕なんか、この会社にいても意味がないんだよ。何の役にも立たないんだから。誰よりも何もかも、劣っているんだから。

『いつも的確なアドバイスをくれて』

みんなの記事が完璧に作られているだけ。

『動画では伊沢さんと一緒にボケてくれて』

伊沢に乗っかってるだけだよ。

『企画はどれも面白くて』

福良が上手く纏めてくれてるだけ。

『色々なライターからも頼りにされて』

他のメンバーが忙しいから僕のとこへ来るだけ。

全部、全部、僕以外の誰かのお陰。僕以外の誰かの力だ。役に立たない僕は、いない方が良いよ。

頼むから、それ以上は何も言わないでくれ。

苦しいだけだから。

貴女がいれば、何もかもが回る。

僕なんか、いなくても良いんだ。

それなのに貴女は、

『全てが完璧な河村さんは、すごいと思います』

何故、そんなことを言うんですか....？

完璧なんかじゃない。それは貴女の方でしょう？

イライラがピークに達する。

彼女の話を聞いていた僕の荒んだ心は純黒に染まり、気づけば身体を起こして叫んでいた。

河村「ｯ貴女に僕の何が分かるんですか！？何もかも完璧な貴女にｯ、僕の気持ちなんて分からない！！！貴女さえ要れば、この会社は回るんだ、知ったような口を聞かないで下さい！！」

急に起き上がって叫んだ為、息は切れ、少しクラクラする。感情のままに行動した故、頭がぼーっとした。ソファに座り直し、呼吸を整える。